体操協会のパワハラ問題は、部下の意欲を高められないリーダーに要因あり

パワハラかどうかは、被害者の受け止め方次第

※写真はイメージです photo via ashinari

 女子体操競技の宮川紗江選手が、日本体操協会の塚原光男副会長、塚原千恵子女子強化本部長夫妻をパワハラで訴えた。塚原夫妻は、「脅すための発言はしていません」「圧力なんかありません」「悪いことはしていないし、宮川が勝手に言っていること」と、パワハラであることを否定している。  どうやら、パワハラをしたかどうかの判定について、パワハラをした側が決めることができると勘違いしているようだ。パワハラをした側の発言は、その判定に意味をなさない。第三者委員会が設置され状況を確認するようだが、今回のケースのように、組織の幹部がメンバーに対してパワハラをしたかどうかは、ひとえにパワハラをされた側がどう受け止めたかにかかっているのだ。  なぜならば、メンバーがパワハラをされたと思った時点で、その幹部はリーダーとしての役割を発揮できていないということをつきつけられているからだ。パワハラで訴えられるということは、メンバーからリーダー失格であることの烙印を押されているということなのだ。  私はリーダーの役割は、メンバーのモチベーションを高め、ひいては、メンバーのパフォーマンスを向上させることにあると考える。パワハラは、その役割とは真逆で、メンバーのモチベーションをこれ以上ないほど低下させ、パフォーマンスを低下させることは明白だ。  そして、メンバーのモチベーションの低下は、他の誰でもない、パワハラを受けたメンバー自身が一番わかっていることだ。メンバー以外には本心はわからないとも言える。パワハラかどうかは、パワハラされた側がどう受けとめたかにかかっている……。私はそう考えることが理に適っていると思う。
次のページ
パワハラ告発はリーダー失格の証し
1
2
3
チームを動かすファシリテーションのドリル

「1日1分30日」のセルフトレーニングで、会議をうまく誘導し、部下のモチベーションを自然にあげられるようになる!

バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会