「激しい批判をする野党の後ろにも国民はいる」。総裁選出馬を決めた石破茂が語る国会・憲法・沖縄
厳しい質問をする野党議員の後ろにも「国民」がいる
石破:それは、国会って、「わかってください」っていう場だと思っているからです。ただ時間を消化するではなく、事情や主張を「わかってください」「理解してください」と正式に主張できる場だと私は思っているんです。
少し割り引いて聞いていただきたいのですが、私が防衛庁長官のときに、参議院選挙がありました。その時、その選挙で引退されるっていう共産党の参議院議員が、防衛庁に訪ねてこられたのです。秘書官たちはびっくりして、共産党の議員がアポをとって防衛庁長官のところに来るっていうのは例がありませんから、どうしましょうかっていうから、「いいじゃないか」って言ってお会いしました。1人で来られました。吉岡さんという方です。その方がおっしゃったのは、「私は今回で引退するが、その前に一言だけあなたにお礼を言いたかった」と。「あなたと私の主義主張は全く違う。今でも違う。だけどあなたは私の質問に正面から答えてくれた。共産党だからって等閑視するんじゃなく、一生懸命答えてくれた。それが嬉しくて引退するにあたってお礼を言いにきた」と。これは私の一生の誇りです。
我々は法案を通そうと思ってやってるわけです。当時であれば有事法制、米軍支援法制、イラク特措法、テロ特措法などでした。国会の場で、たとえ賛成していただけなくても、少なくとも政府が言わんとしていることは理解したと、そう言っていただけるようにしなければならないと私は思っているし、野党議員は激しく攻撃してくるけれど、その向こうには多くの支持者がいるわけで、憲法で定められているように、全国民の代表者として、彼らは我々に質問しているのです。とすれば、野党にもわかってもらおうとする努力は、そのままその向こうにいる有権者、支持者にご理解を頂くことだし、それは政府与党として当たり前の責任だと思います。
――それが多分、ここ6年間見られない光景、なんでしょうねぇ。
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