「サークルK」も間もなく消滅する(宇治市)
一方の「サークルK」は大手スーパー「ユニー」が米サークルK社からライセンスを受け、1980年3月に名古屋市天白区に日本1号店を誕生させたものだ。
サークルKサンクスは、2001年にサークルKとサンクスが持ち株会社の下に統合、2004年に合併して発足した。当時、サンクスの親会社であった長崎屋は経営不振に陥っていたため、合併後の運営会社「株式会社サークルKサンクス」はサークルKの系譜を受け継ぎユニーの100パーセント子会社となった。その後、長崎屋は2007年よりドン・キホーテの傘下となっている。
当時、この「サークルK」と「サンクス」の合併も国内コンビニ業界初となる「大手同士の経営統合」として脚光を浴びたことは記憶に新しい。しかし、店舗ブランド一本化の失敗もあり「弱小チェーン」のイメージから抜け出すことができず、さらに両社のFC契約方式や条件の違いから首都圏や北陸、名古屋、南九州などの地区本部やフランチャイジーが相次いで離脱。ローソンなどライバル企業へと転換を図った店も少なくなかった。
ファミリーマートは経営統合当初「2019年中の屋号統一」(2016年2月時点での発表では2019年2月まで)を目指していたというが、予定より早い屋号やシステムの統合となったのは、こうした過去の反省からであろう。
もちろん、それ以上に過酷な現実を突き付けてくるのは「売上」だ。
ユニー・ファミリーマートHDが今年7月に発表した2019年2月期第1四半期決算説明によると、「サークルK」「サンクス」から「ファミリーマート」へブランド転換した店舗の1店あたり日販額は50万6000円(転換前対比10%増)、客数821人(11%増)と、いずれも以前より1割以上増加したという。
コンビニ大手3社の店舗あたりの平均日販額を見ると(表参照)、セブンイレブンが63万5000円であるのに対し、ローソンは53万6000円、ファミリーマートはそれよりも低い52万円に留まる。ファミリーマートは営業利益についても大手3社の中で最も低く、個店の日販額増加は喫緊の課題であった。
こうした現実的な数字を見せられると、早期の「屋号統一」となったことは納得せざるを得ない。