短時間であればあるほど価値が上がる。「シェアード社員」ってなんだ!?

ユナイトアンドグロウ株式会社代表取締役社長・須田 騎一朗氏(左)と山口氏

 経済産業省が月曜の午前中に半休を取ることを奨励するシャイニングマンデーを打ち出しました。しかし、ひときわ忙しい月曜の午前中に、特に少人数でビジネス展開している中小企業で、自発的ではなく国に強制されて半休を取らされることに意味はあるのでしょうか。「中堅・中小企業を強くする。働き方を革命する」ことを使命とし、「管理しない経営」(※参照)を実現しているユナイトアンドグロウ株式会社代表取締役社長須田騎一朗氏に、本連載「分解スキル反復演習が人生を変える」でお馴染みの山口博氏が迫ります。

国からの「押し付け休暇」は、もうたくさんだ

山口博(以下、山口):シャイニングマンデーが打ち出されました。休暇を取得するということは奨励されるべきことだと思いますが、金曜日の午後だろうが、月曜日の午前だろうが、その日は休めと休暇を押し付けてはいけないと、私には思えてならないのですが、働き方革命を実現している須田さんからみると、どのように捉えていますか。 須田騎一朗氏(以下、須田):フライデーとかマンデーとか生ぬるいですね。どうせ押し付けるなら、「バケーション」と言ってほしいです。 山口:バケーションですか。 須田:小刻みな休みを推奨しても改革にはならないと思います。「10日あるいは2週間以上の連続した休暇を国民に普及させる」を究極の目標としてはどうでしょう。もちろんこれは究極の目標であって、我が社もまだ全くできていませんが。 山口:バケーションなら、国からの押し付けであっても良いと? 須田:はい。「働き方改革」「生産性向上」の起爆剤になるかもしれませんよ。バケーションが国の標準になると、あらゆる仕事が「複数名体制化」していきます。そうせざるを得なくなる。本人が休みの2〜3週間だけを別の人が肩代わりするような、新手のサービスも出てくるかもしれません。  複数名体制がすすむと、いろいろなことが起こります。ジョブ内容の定義、ノウハウの見える化、目標設定の確立、相互評価制度、ジョブローテーション、女性やシニアの活躍、アウトソーシングの活用。そして結果としての時間あたり生産性の向上など。「働き方改革」で欲しいものが全部手に入るのではないですか。 山口:つまり、休暇取得をするしないということの前提として、休暇を取得できる体制を築くということですね。 須田:AIやロボットが普及することで今後は単純労働がますます減り、人々は各分野の専門家になっていきます。昔の工場のような代替が効きやすい仕事はなくなり、一人ひとりが専門分野を担当するようになる。人に依存する仕事だらけの世の中を、想像してみてください。 知識労働者は頭を働かせて成果を上げる仕事なので、実は長期の休暇でないと頭が休まりません。抜本的な対策を施さないと病人が急増するリスクも高まるでしょう。 従って、究極の解決策は、「バケーション」による複数名体制の確立だと私は考えますマンデー、フライデー、祝日、などではなくて、バケーションです。 山口: しかしそもそも人手不足の中で、複数名体制はハードルが高いように思いますが。
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複数社員で業務をシェアする仕組み
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