では、他の人気スポーツではどうだろう? まずは大学アメリカンフットボールの例を見てみよう。
アメフト、野球、バスケットボール、アイスホッケーといった4大プロスポーツリーグのない地域ではかなりの人気を誇っているそうで、いわゆる1部リーグに相当するNCAA Division I-FBSは’17年に約870試合で3600万人以上を動員。1試合平均で4万2203人もの観客を集めている。
大学アメフトではその下に位置するNCAA Division I-FSCでも1試合平均約8200人を動員するなど、まさにプロスポーツ顔負けの“お化けコンテンツ”となっている。
バスケットボールでは同じくNCAAの男子バスケリーグも1試合平均で約4800人を集めている。アメフトや野球と違って、アリーナクラスの会場でプレーすることを考えると、かなり客入りはいいだろう。約5600試合でおよそ2700万人を動員している。大学バスケでは女子リーグも1試合平均約1600人となかなかの人気だ。
ミシガン州出身のアメリカ人男性に話を聞くと、人気スポーツの傾向について次のように語ってくれた。
「アメフトとバスケはプロでも一番大きなスポーツですし、それは大学生レベルでも同じです。ただ、アメフトは怪我のリスクが大きいので、若いコの間ではあまり人気がありません。あとはプレー時間にも注目したいですよね。バスケは一度に出場できる選手が5人しかいませんから。より小さいコでは野球とサッカーが人気ですが、それはプレーするのが“簡単”だから。アイスホッケーなどは道具を揃えるのが大変ですしね」
各スポーツが縦割りの組織によって全国規模で統治されており、しかも部活制度と強く結びついている日本。それに比べるとアメリカの学生スポーツを一括りにして比較することはかなり難しい。子どものスポーツを扱った『
ESPN』の記事ですら、「子どものスポーツは規模が大きすぎて、どのぐらい大きいのか誰もわからない」という見出しがつくほどだ。
しかし、数少ないデータからはアメリカの学生スポーツの傾向がうっすらではあるが、浮かんでくる。