元日経新聞記者が指南、日経225の中から着実に利益の出る銘柄を買う方法

100株ずつ小刻みに購入し、平均購入単価を引き下げる

最小単位 「石橋攻略」は、この小額購入のメリットを最大限活用するところに大きな特徴があります。たとえば、一株1000円のA銘柄を500株購入するケースを考えてみましょう(表参照)。  購入の基本は株価が下がり、購入を決めた場合でも、一度に500株をすべて購入する方法はとりません。株価は毎日変動するので、安いと思って購入しても、翌日さらに下落する場合もあります。100株(最小単位)単位で、小刻みに購入することで、平均購入単価を引き下げることを目指します。  具体的なケースで考えてみましょう。  ある日、下落基調だったA銘柄の株価が1000円まで下がったので100株購入しました。これを基準にして、株価が安くなった時を見計らって買い増します。翌日は1030円に戻したので見送ります。さらにその翌日に970円に反落したので。100株購入します。200株の平均購入価格は985円です。  翌週アメリカの雇用統計が悪化したため、その影響で株価は900円まで下落しました。ここで200株を購入します。合計400株の平均購入価格は942.5円です。どうやらこの辺が底値に近い感じがします。その翌週、株価は910円へ反発しました。残りの100株を910円で購入しました。この結果、500株の平均購入価格は936円になりました。  最低単位で小刻みに購入するのは、平均購入価格をできるだけ引き下げるためです。神様でもない私たち凡人が最低価格を的確に見つけることなど不可能です。そのために最低単位で小刻みに購入し平均購入価格を引き下げる努力が求められるのです。  1000円で1度に500株購入する場合と比べて、このケースでは購入資金が3万2000円節約できます。購入価格が低ければ低いほど売却する場合もプラスになるのは言うまでもありません。  すぐ足元の短期的な株価動向を正確に予測することは不可能に近いので、試行錯誤を繰り返しながら安値を拾うやり方をとります。これが「ローリスク、ミディアムリターン」を目指すために必要な株式購入方法であり、「石橋攻略」の重要なアプローチなのです。 ◆石橋叩きのネット株投資術第9回 <文/三橋規宏> みつはしただひろ●1940年生まれ。1964年慶応義塾大学経済学部卒、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学教授、同大学名誉教授、環境を考える経済人の会21事務局長等を歴任。主著は『新・日本経済入門』(日本経済新聞出版社)、『ゼミナール日本経済入門』(同)、『環境経済入門』(日経文庫)、『環境再生と日本経済』(岩波新書)、『サッチャリズム』(中央公論社)、『サステナビリティ経営』(講談社)など。
経済ジャーナリスト。1964年、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、論説副主幹などを経て、千葉商科大学政策情報学部教授。2010年から名誉教授。専門は日本経済論、環境経済学。編著書に『新・日本経済入門』(編著、日本経済新聞出版社)『環境が大学を元気にする』(海象社)など多数。『石橋をたたいて渡るネット株投資術』(海象社)を8月9日に上梓。
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