現物取引を優先、証券会社に預けてある自分のお金の範囲で
株式の取引単位が100株に統一されることは、石橋攻略にとって大きなプラス要因です。初期投資が低額になるうえ、リスクも軽減できるからです。株式売買は大きく分けて現物取引と信用取引に分けることができます。
現物取引は、証券会社に預けてある自分のお金の範囲でします。たとえば、一株3000円の株式を最低単位の100株購入すれば、証券会社にある自分の現金残高から30万円(実際には証券会社に購入手数料を払いますが、その分はここでは無視)が差し引かれます。30万円の現金が株式に代わるわけです。
信用取引では株を購入する場合は、現金残高は減りません。信用取引は自分のお金で買うのではなく、証券会社からお金を借りて購入する制度だからです。その代わり、借りたお金には毎日利子が加算されます。長く借りれば借りるほど支払い利子が増えます。
信用取引は半年決済が通常のルールです。購入した銘柄の株価が上昇せず、期限ぎりぎりの6か月持ち続けると、金利はかなりの金額になります。6カ月持ち続けても株価が買値以下の場合、損切りしなければなりません。株価約5000円で購入した場合、6カ月間の金利は1万円前後に達するのでかなりの負担になります。
トヨタの株価推移
「石橋攻略」では、現物取引と信用取引の「ベストミックス」(上手な組み合わせ)で利益を目指しますが、まずリスクの少ない現物取引から見てみましょう。現物取引は、自分が預けたお金の範囲で売買するので、これまで証券会社の店頭で売買してきたやり方と原理は同じです。
店頭での売買はかなりの金額が必要なので、客はお金持ちや株の専門家などに限定されます。数百万円、数千万円の単位で取引が行われます。普通のビジネス人やシニア層、専業主婦などには敷居の高い存在でした。
ネット取引が普及し、普通の人が気楽に株式市場に参入できるように取引制度が大幅に改善され、売買単価が小額になったことは大きな魅力です。たとえば、メガバンクのみずほの株価は今年5月初めの段階で約195円です。100株購入するなら1万9500円で買えます。
証券会社の店頭に出向いて、みずほ株100株を購入するのは、金額が少な過ぎて気恥ずかしい気がしますが、ネット購入ならそんな思いを抱かず簡単にパソコン操作で購入予約をするだけで済みます。トヨタのような値がさ株(5月初めの価格約7165円)でも、最小単位なら70数万円で買えます。
ネット株が普及する以前、証券会社の店頭でトヨタ株を買う場合、500株~1000株単位で購入するとすれば、350万円~700万円の資金が必要で、普通のビジネス人やシニア層などにはとても手が出せません。