元日経新聞記者が指南、日経225の中から着実に利益の出る銘柄を買う方法
元本割れすることなく、ローリスク・ミディアムリターンを狙って着実に利益を出していく“石橋を叩いて渡るネット株投資術”(石橋攻略)。今回は、日経225銘柄の中から約20銘柄をどのように選んだらよいのか、どのように買ったらよいのかを説明します。
まず、銘柄の選び方には、いくつかの条件があります。
1)株価5000円以下の銘柄
第1の条件は、株価が5000円以下の銘柄であるということ。5000円を上回る高価格銘柄は、1日の変動幅が大きくうま味も大きいですが、下落の際損失も大きくなります。リスク回避のためには、3000円前後の銘柄が望ましいと思います。ビギナー(初心者)の場合は1000円以下の銘柄からスタートして、習熟度に応じて1000~2000円台の銘柄へ幅を広げていくのが望ましいと思います。
2)配当率の高い銘柄
第2は配当率が高い銘柄を選びます。1部上場企業の多くは、年度末の3月期決算、9月中間決算を実施します。年間を通して配当率の高い企業を選ぶのは、万一、安いと思って買った株価が高過ぎ、半年~1年経っても売るタイミングがない場合が起こり得るからです。
現物で購入した場合は、期限がないので買値を上回るまで持ち続け、その間配当金を得ることができます。信用取引の場合は、半年で決済しなければなりませんが、信用配当が得られます。
時代によって配当率の高い業種、低い業種は変化してきます。この数年で見れば、配当率の高い業種としては、メガバンクなどの銀行、損保、製薬会社、商社などがあげられます。もちろん業種とは別に、個別企業の中にも、配当率の高い企業はたくさんあります。新聞、雑誌、『会社情報』、『会社四季報』、インターネットなどを通して配当率の高い企業を探すこともできます。
3)発行株式数の少ない銘柄
第3は発行済み株式数の少ない銘柄を選ぶのもポイントです。例えば同じ金融株でも、発行済み株式数の多い銘柄の価格変動は小さく、逆に少ない銘柄は変動幅が大きくなる傾向があります。売買差益を狙う場合は、株式発行数の少ない方が変化が大きく、差益を得やすいのは言うまでもありません。
以上の条件を考慮し、私がこれまで売買の対象にしてきた銘柄は、三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそななどの金融株、SOMPO、野村などの金融関連、トヨタ、ホンダなどの自動車、武田、第一三共などの医薬品、ソニー、パナソニック、京セラ、キヤノン、コマツ、伊藤忠などです。以前は日電産、ダイキン、信越化学、ソフトバンクなども売買の対象としていましたが、利益確定後も上昇を続け、1万円を超えてしまったため、再度の購入には高過ぎるため、残念ですが手を引いています。
次に銘柄の買い方について説明します。株式購入に当たっては売買単位が定められています。売買単位とは通常、銘柄購入の際の最小金額とご理解ください。例えば、A銘柄の株式売買単位が100株と定められているとします。株価は1000円とします。この場合、あなたが1万円を用意して10株購入したいと思っても購入できません。
購入のためには10万円が必要です。売買単位が少な過ぎると、証券会社側の事務手続きが煩雑になってしまいます。多過ぎると、サラリーマン、サラリーウーマン、専業主婦、シニア層など普通の日本人にとっては金額が高くなってしまい手が届きません。
株式売買単位は2007年初め頃までは2000株、1000株、500株、200株、100株、50株、10株、1株と合わせて8種類もありました。煩雑過ぎて一般投資家は困惑してしまいます。この頃までは1000株単位が主流でした。
たとえば購入したい銘柄の一株当たり価格が3000円だとすると、300万円ないと購入できません。このような巨額な投資資金を用意できるのは一部のお金持ちかプロの投資家に限られます。一般庶民にとっては縁のない世界と思われてきました。
株式をより多くの人に所有してもらいたいとの反省もあり、東京証券取引所など全国の証券取引所は投資家の利便性を図るため、2007年11月から売買単位を100株に統一するように上場企業に働きかけてきました。
この結果100株単位の上場会社の比率は2017年9月現在、全上場企業の93.7%(3313社)を占めるまでになりました。残りの6.3%(224社)はまだ1000株単位ですが、2018年10月までにすべて100株に統一されることになっています。
ローリスクで、着実に利益を出す銘柄の選び方
一般投資家に追い風、最小売買単位は100株に統一の流れ
この連載の前回記事
2018.08.02
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