山口:そのために、どんな準備をし始めているのですか。
日置峻介氏。横浜国立大学大学院理工学府機械・材料・海洋系工学専攻機械工学教育分野修士課程1年に在籍し、サイバネティクス研究に取り組んでいる
日置:英語ならびにスペイン語の学習をしています。中学、高校時代の英語の成績はよかったのですが、大学2年生の時にたまたま外国の方と話す機会があったときに、思ったことが全く伝えられず、自分の英会話力の無さに愕然とし、今まで自分が日本人の中で英語が得意なことに慢心していたことに気づき、恥ずかしさで胸がいっぱいになりました。それ以来、インターネットや学内のイベントを通してペンパルを含めた外国人の友達をつくり、日常的に彼らとやりとりをして実践的な英語を修得しています。
スペイン語は、話者人口が世界で三番目と非常に多く、習得が自分のグローバルなキャリアの幅をさらに広げると考えたのと、陽気で明るそうな雰囲気に惹かれたという単純な理由で学習し始めたのですが、学校のようにテキストを読みこんで覚えるのではなく、はじめからメキシコ人やスペイン人の方と遊んだり、メッセージをやりとりしたりと実践の場を通じて身に付けています。
山口:まさに実践訓練によって、語学スキルを高めることに取り組んでいるのですね。インターンでも実践スキルを高めることを目指していますか。
日置:エンジニアとしてのスキルアップと海外文化への理解を深める目的で、夏にはIT企業でのインターン、アルバイトを考えており、秋にはヨーロッパで、私の専門であるロボティクス企業でのインターン、来春の東南アジアでの対日理解促進のための国の派遣プロジェクトにも参加できるようにチャレンジしています。
「知らない」が「知っている」になるだけで世界は変わる
山口:実際の海外でのビジネス経験をふまえて、グローバルなキャリアプランを実現することに確信を持ちつつあるのですね。
日置:確信を持っているというよりも、自分のグローバルなキャリアプランを確かめていると言った方がよいかもしれません。海外でのビジネスを経験するたびに、自分の海外への期待が幻想ではなかったか、それに基づくキャリアプランが現実的なものなのか、確かめながら試行錯誤しています。
私が声を大にして言いたいことは、“知らないことは恐怖である”ということなのです。私は田舎から大学で横浜に出てきて、それまで自分の生活の常識が崩れていきました。英語を勉強して、外国の人と会話が可能になり、インターネット上の膨大な外国の情報も読めるようになりました。
英語も都会に住むことも難しいことではないですが、“知らない”が“知っている”になるだけで私の生活や考え方は大きく変わりました。そう考えると、海外でのキャリアを積むことが、今までにないほどに私を大きく変えてくれると期待せずにはいられないのです。