サイバネティクス研究に取り組む若き大学院生が「国境なきエンジニア」を目指す理由

山口博
HBO1807-1056

日置峻介氏と山口博氏

 よい良い待遇と労働環境を求めて、グローバルなキャリアの実現を目指す若者が増えている。

 横浜国立大学大学院「グローバルスタンダードの次世代ビジネススキル」プログラムの受講者である日置峻介氏もその一人だ。このプログラムで最高のパフォーマンスを発揮した日置氏に、キャリア開発をしていく上で何を重視するか、同プログラムの講師であり、本連載「分解スキル反復演習が人生を変える」でお馴染みの山口博氏が迫る!

日本の技術者の待遇は他国に比べて低い

山口:「グローバルスタンダードの次世代ビジネススキル」プログラムでは、半年にわたり、グローバルビジネスに不可欠なビジネススキルを分解し、コアスキルを反復演習してその場で身に付けます。修得したスキルを発揮しながら、自分自身のキャリアプランのプレゼンテーションをするのですが、日置さんは、全受講者の中で最優秀のパフォーマンスを発揮しました。

 日置さんはどんなキャリアプランを描いているのですか?

日置:大学院で機械工学を専攻し、人と機械の融合をテーマとしたサイバネティクスの研究に取り組んでいます。ひと言で表現するとサイボーグの研究です。将来、国境なきエンジニアになることが、私の目指すキャリアプランです。日本という国の範囲を超えて、グローバルに活躍するエンジニアとして活躍できればと願っています。

山口:そのようなキャリアプランを描くようになったきっかけは何ですか?

日置:日本の技術者の待遇は、他国に比べて低いと言えます。私の肌感覚ですが、プログラマの平均年収を例にとっても、シンガポールの3分の2程度、米国の2分の1程度の低水準のように思えます。もちろん物価の高低など考慮する要素はあるかもしれませんが、日本という枠組みを超えてビジネス展開したいと思うのです。

山口:そうは言っても、生まれ育って慣れ親しんだ国の環境の良さなどは、日本でビジネス展開することのアドバンテージではないのでしょうか?

日置:勝手を知っているという意味ではパフォーマンスを発揮しやすいのかもしれませんが、日本の労働環境は他国に比べて、決してよいとはいえないと思います。有給休暇の消化率が、他国に比べて極めて低いことは顕著な例ですが、劣悪な労働環境の中で一企業に奉公することはできても、自分自身のキャリア形成に役立つとは思えないのです。

山口:優秀な人材が日本の労働環境に見切りをつけ始めている事例のように思えてなりません。グローバルにキャリア形成することのメリットとデメリットについては、どのように考えているのですか。

日置:以下のように、メリットとデメリットを考えています。給与、実力主義、個人意思の尊重の観点から、自分のモチベーションファクター(意欲を高める要素)である目標達成や自律裁量に合致しているのが、グローバルでのキャリア形成だということに気づきました。

特に、一度海外勤務を経験すれば、転職先は世界に広がるという、その後のキャリア展開のコアになる要素だと思うのです。

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