近所の九十九里浜。海側から涼しい風が吹いてくるので、夏でも冷房いらずだ
“The 消費者”として踊らされている人は、猛暑の加害者でもある
この夏、異常気象だ。「とにかく暑い!」と悲鳴に近い声が各地から届く。そして災害が頻発している。今夏だけでない。日本だけでもない。毎年、地球温暖化による異常気象が世界中で起こっている。日本にいると気づかないだろうが、世界では食料危機が近づいていると言われる。農家さんは毎年違う気象に悩まされ、安定した出荷がままならない。
これは誰かのせい? 誰もが被害者になり得ると同時に、誰もが加害者になり得る、と俺たちは再認識する必要がある。俺も、アナタも、キミも。
だって、電気つけっぱなしにしていない? 使い捨てに慣れきってない? 消費に踊らされてない? モノを大切にしてる? 日本人は1年に平均で40着も服を買うという! それ、本当に全部着てる? 必要? 日本人は月に一度も使わないモノが80%を占めるんだってよ~!
そんなムダな「エネルギー使用」や「経済活動」が温暖化をさらに進め、世界はさらなる異常気象に苦しむことになる。
気候変動観測衛星「しきさい」がとらえた、地表面温度の画像。温度が高くなるほど赤色が濃くなる。都市部では40~50℃以上になっているが、森林域ではあまり温度が上がっていない。宇宙航空研究開発機構(JAXA)のホームページより
と言いつつ、個人の行動だけに期待したり依存したりというのもいけない。消費を煽る、もっと大きな流れを変えなきゃね。
日本は人口減少時代に入って10年が経つ。エネルギー消費も減ってきている。なのに、火力発電所をまだ作ろうとしたり、原発を止めようとしなかったり(「原発はCO2を出さない」なんてインチキなマヤカシ!)。
そしてダムもまだまだ造ろうとしている。今回の豪雨被害を大きくしたのはダムの放流だ。洪水を防ぐと言っていたダムが、洪水被害を大きくした。まだ人口も消費も増えることを想定して、「もっと水供給だ、もっと電気だ」って、無駄なコンクリートで村や森をこわす。
「公共事業だ、雇用につながる、経済に貢献する!」って? そんな謳い文句が通用したのはいつの昔か。もう騙されるのはやめよう。そろそろ気づこう。
原発やダムは、すでにあるものを壊したり自然に戻したりすれば、今後もずっと雇用を生む(参考記事:
日刊SPA!「日本で唯一の例。ダムを撤去したら川も海も再生した」)。放射能汚染を防いだり、環境を再生したりといった技術の進歩にもつながるし、経済にだって貢献する。経済は大きくするだけが能じゃない。適正サイズに保つ、適正サイズに小さくする、が次の時代の要請だ。