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ビジネススキルを向上させる演習プログラムを実施していて、成長性の数値化(参照記事:
「のびしろ」を数字化することはできるのか?)とともに要望が多いのが、
能動性の数値化だ。事業革新を図ったり、イノベーションを起こしたりするために、自分の能動性を高めたい、メンバーのイノベーティブなセンスを高めたいという要望だ。
能動性は、指示したことに率先して取り組みをする、指示する前に自ら気付いて実践するという行動で捉えることができる。私が演習を通して、より簡単に能動性を数値化している方法は、例えば、演習参加者が、他の参加者全員の前でモデル話法を披露したり、グループメンバー全員の前で発言する順番をメモしたりしておいて、その順番により能動性が高いと捉える方法だ。早く発表すれば、能動性が高い、遅く発表したら能動性が低いというわけだ。
この方法を実施するためには、当然ながら、発表の順番を決めたり、トレーナーが指名したりしないで、実施したい人、実施してくれる人から実施するという進行方法をとっている必要がある。企業で行われている研修の多くが、発言の順番を決めたり、指名したりしているし、そもそも発表の機会が限られている。こうした構造を変える必要がある。
「早く発表したのは、たまたま、そうしただけなので、その1回をもって、能動性があるとか、ないとか、決めつけられてはたまらない」という意味の声を聞いたことがある。もっともな受け止め方だ。私の演習では、2時間1プログラムの中の90分で、15分ずつ6つのスキルを6つのセッションで演習していく。6回も実施して、その都度、能動性を測れば、実は意味ある傾向値となる。
能動性の対義語が受動性だ。時には受動性を発揮しなければならない場面がある。この方式は、能動性ばかりではなく、受動性も測定できる方式だ。もっとも企業からの要望は、能動性の測定がほとんどだが。