最近の中国が中米に関心を深めているのも理由がある。
パナマとの昨年の国交樹立以来、中国は太平洋と大西洋を繋ぐのに中米はそのアクセスが容易になるというこのを見ているからである。そして、そこから北米の東海岸やアフリカそしてヨーロッパへの商品発送のアクセスも容易になると判断しているのである。(参照:「
BBC」)
トランプ政権においては、保護主義政策からラテンアメリカのへの関心が薄くなっている。その隙間を現在の中国は積極的に利用してラテンアメリカで米国を凌ぐ影響力を持てるような方向に邁進している。
そして、トランプ大統領の保護主義の余波を被ることになるのが台湾である。中国がエル・サルバドルに進出するようになると、台湾はエル・サルバドルとの国交を失い、同時にニカラグアとホンジュラスとの国交断交にも繋がる可能性があるということでもある。台湾を擁護しようとしているトランプ大統領の誤算がここでも指摘される。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。