自由に休ませもせず、国の号令一下で月曜半休を推奨する「シャイニングマンデー」は、頭の悪い全体主義である

国の号令でみんなで同じ日に午前半休を取るという全体主義

 昨今の若者がテレビを見なくなったように、これからは徐々に「会社」の形が変わってくると考えています。  スマホやノートパソコンさえあれば、物理的にはどこでも仕事をできるので、わざわざ会社に行ったり、わざわざ無駄な社内資料を作ったりする必要がなくなってきます。  よく考えてみれば「通勤時間」は無駄です。  自宅で作業ができるのなら、会社が支払う「交通費」も無駄ですし、何よりも「通勤している時間」が無駄であり、この時間は会社のために拘束されている時間にもかかわらず、労働時間としてはカウントされず、だいたいの人がスマホのゲームをして過ごしています。ゲームをしている時間に生産性はなく、わずかな「楽しさ」は得られますが、人生を無駄に浪費していると言っても過言ではありません。  文明は常に進化していますので、世界の大きな流れで言えば「会社」が「同じオフィスで仕事をするもの」ではなくなり、必要な時にしか行かないものになると思います。ある時は海でBBQをしながら、ある時は温泉の低温サウナの中から、ある時は海外旅行に行く飛行機の中から、スマホやタブレットPCを使って資料のやり取りをするだけで給料がもらえる、自由な働き方をする人が増えると思います。  ただ、世界がどんどん会社の形を変えて生産性を向上させる中、日本の企業が世界標準となった新しいビジネススタイルに対応できるかと言うと、まったく対応できず、いつまでも同じように会社に集まり、生産性の低いビジネススタイルを貫いていると思います。  その最たる例が「シャイニングマンデー」であり、みんなで同じ日に午前半休を取るという効率の悪い全体主義です。社畜となった人たちに「もっとカネを使え!」と言うのですが、たかだか月に一度の午前半休ごときでカネを使うメンタルになると思っているところが、強烈に頭が悪いです。  これを経団連やら経済産業省やらが思っている時点で、壮大な勘違いです。そんなことなら社員に無条件に1万円でも配ったほうがよっぽどカネを使います。要するに、政治家も官僚も労働者を「生産性」でしか考えてなく、「人間」として考え、扱っていないから、この国の経済が回らないのです。 <取材・文/選挙ウォッチャーちだい(Twitter ID:@chidaisan)> ちだい●選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材活動を行う。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどをTwitterやnote「チダイズム」を中心に公開中。立候補する方、当選させたい議員がいる方は、すべてのレポートが必見。
選挙ウォッチャーとして日本中の選挙を追いかけ、取材しています。選挙ごとに「どんな選挙だったのか」を振り返るとともに、そこで得た選挙戦略のノウハウなどを「チダイズム」にて公開中
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会