自由に休ませもせず、国の号令一下で月曜半休を推奨する「シャイニングマンデー」は、頭の悪い全体主義である

どうすればみんなが喜ぶ「プレミアムフライデ-」になるか

 今はまだ「シャイニングマンデー」を「検討中」という段階なので、正式に始まると決まったわけではありませんが、そもそもこういうものは誰もが嬉しいと思わなければ流行りません。  もともと「プレミアムフライデー」は、全国のサラリーマンに消費してもらうことが目的で、お手本になっているのはアメリカの「ブラックフライデー」です。  アメリカには1年に1回、11月23日の「サンクスギビングデー」の後の最初の金曜日からクリスマスまでのバーゲンセールに消費が集中します。各店舗がバーゲンをして、1年の売上のうち半分くらいが「ブラックフライデー」から始まる約1か月ほどに集中するのです。  これを日本版としてアレンジし、人々の消費を煽ろうとしたのが「プレミアムフライデー」なのですが、そもそも仕事が終わらないのに消費している場合ではなく、お金を使ってもらうのはあまりに非現実的でした。では、どうしたら「プレミアムフライデー」は成功したのでしょうか。みんなが喜びそうなことを考えてみました。 1)毎月第3水曜日の「ヒーリングウェンズデー」  なんだか得した気持ちになる水曜日の祝日。月の真ん中である毎週第3水曜日を「ヒーリングウェンズデー」と称し、この日は自宅作業を認め、みんなで温泉に行ったり、カラオケに行ったり、エステに行ったり、癒やしのためにお金を使う一日にします。もちろん、何もしないで家でゴロゴロしていてもOK。今の時代、家でゴロゴロしていても、結局、ネット通販でポチッとしてしまうと思います。 2)毎月第2金曜日の「プレミアムフライデー」  それまでの「プレミアムフライデー」が最終金曜日だったのは、給料日後だからお金を使ってくれるに違いないという発想です。だけど、給料日後だからってアホみたいにお金を使う奴は人生が破綻しているので、誰もが1か月を給料の範囲内で過ごせるように考えているはずです。給料日後にこだわらなくても、毎月第2金曜日なら、まだそれなりにお金が残っているし、飲みに行くぐらいのことはできるのではないでしょうか。会社に気兼ねなく飲みに行ける金曜日を「プレミアムフライデー」として再設定する計画です。 3)毎日が日曜日の「エブリデーサンデー」  会社なんかに勤めているから「プレミアムフライデー」だの「シャイニングマンデー」だの、くだらないものに巻き込まれて「お金を使え」と言われるので、どうせ大した給料をもらえないのなら、いっそのこと会社を辞めて自分のやりたいことをする「エブリデーサンデー」。人生の夏休みとも言いますが、誰かが決めたアホみたいなルールに従って生きるぐらいなら、自分のやりたいスケジュールで生きていく方がずっといいかもしれません。

この国の労働者の社畜化は加速する傾向にある

 今、日本は着実に「社畜化」が進んでいます。  先日、新たにリリースされた2つのサービスは、経営者からすれば画期的なのかもしれませんが、労働者のわずかな息抜きさえ認めないギャグの世界です。  一つは、労働者が眠そうな顔をした瞬間、それをAIが判断して、眠らないようにエアコンの温度を低くするというサービスです。効率を重視して仮眠室を備えた会社が注目される中、「寒くて眠れない」という環境を作り出すことによって、半ば強制的に社員を働かせようというサービスが誕生しました。  もう一つは、社員のパソコンを常時監視し、仕事と関係ないページを見ている時には上司に報告するサービスです。昨日は元AKB48の前田敦子さんが結婚したというニュースを聞き、思わず原稿を書くのを止めてニュースをチェックしてしまいましたが、そんなこともすべて上司に報告され、「ニュースを見ている暇があったら仕事をしろ!」と怒られることになるのです。  わずかな睡眠、わずかな休憩も認めず、朝から晩まで息もつかせずに働かせる。そして、決められた日に「シャイニングマンデー」などと言って、「この日は午前半休だけど、それ以外の日は遅刻とみなす」と言われるのです。この世のブラック労働をナメてはいけません。やはり、最強なのは「エブリデーサンデー」なのです。
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無視される「休暇の自己決定権」
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