ボッタクリ被害も少なくないタイの夜遊び。日本人経営もタイ人経営も裏には「怖い存在」が

高田胤臣

日本より安く、密着度も高いため、日本人にはタイの夜遊びは今も人気がある

 以前、「タイのナイトライフに異変。夜遊びマナーを知らない日本人男性が増加で日本人への評判ダダ下がり」として、タイの夜遊びにおいて日本人(主に観光客)のマナーが低下しており不評を買っている実態をお伝えした。

 その一方で、逆にバンコクのナイトライフでも、ちょっとしたボッタクリは相変わらず増えている。

手口は単純だが酔客はやられやすい

 まず、タイの夜遊びで多くの外国人男性に知られているのが「ゴーゴーバー」だ。ゴーゴーとは、欧米式のバーの店内で水着のダンサーがポールダンスを行う店だが、その実、このダンサーらは売春をしているので、金額さえ折り合えば連れ出してホテルにも行けるという形態の店だ。

ナナプラザではボッタクリの噂は聞かない。しかし、ニューハーフの店では暴力事件などが稀にある

 バンコクには3か所のゴーゴーバー地帯があり、ひとつはかつて人気があった「パッポン」、施設型ゴーゴー集合体「ナナプラザ」、そして一番人気の「ソイ・カウボーイ」がある。パッポンは1990年代から2010年ごろにかけて人気があったが、人気ゆえに傲慢な態度・対応が目立つようになり、客が離れた。そして、いつの間にかマニアックな存在だったソイ・カウボーイが一番の人気地帯に躍り出ている。

パッポン通りのボッタクリ店は基本的には階段で2階に上がる店

 ところが、このソイ・カウボーイもひどい店が出始めている。やや外れにある超人気店「C.H.」はまず店頭の用心棒が悪い。不良の中でもひどいレベルの言葉遣いで傍若無人に振る舞う。ただ、それは旅行者は気にならないだろう。彼らはタイ語しかできないため、タイ語がわからない人にはなにも感じないからだ。

 よくないのは、やはりボッタクリをして客に迷惑をかける店である。ソイ・カウボーイ内に有名なボッタクリ店は4店で、すべて同じグループになる。店名は「砂漠の名前」、「1990年代にイギリスで人気だったガールズアイドルの名前」、「ブラジルの都市の名前」、「真夜中」をヒントにしていただきたい。

 ここの手口はドリンク代の上乗せだ。元々これらの店は、「コヨーテバー」と呼ばれる形態で、タレント的な派遣女性による接客のみで、連れ出しができない。

 そこで店は、女性に奢ったときのドリンクをうまく誤魔化して上乗せする。やり方は単純で、女性のドリンク料金を倍にするという手口だ。もし客が気がついたとしても、例えば女性がラムコークを頼んでいたとすれば「うちはラムとコークを別々に計算します」と返してくる。ゴーゴーではソフトドリンクとビールがほぼ同じ料金で、そう言われると初めての客にはわからない。

 また、システム上、伝票には注文したドリンクがすべて表示されるものの、追加、すなわち2回め以降の注文時に来る伝票は、1回目分は合計金額のみの表示になる。そうなると飲めば飲むほど客はさかのぼれなくなり、大きな金額がぼったくられてしまうというわけだ。筆者は友人と行ったときに注意深く見ていたが、それでも1枚目にすでに謎の10バーツ(約33円)がしれっと加算されていた。知らずにこのグループで飲んだ人の中にはたった数杯しか飲んでいないのにも関わらず5000バーツ(約17000円)近くの請求があったという。

 伝票の操作などはかつてからあった手法で、特にパッポンの有名グループは正々堂々とダブル請求が行われていた。手書きの伝票に1杯しか頼んでいないものを2と書いてくる。注意しても逆ギレをするだけで、そのために人気が衰え(ほかにも要因があるが)、あっという間にパッポンが場末のゴーゴー地帯にまで成り下がってしまった。

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日本人向け、日本人経営でも油断禁物

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