愛想笑いの見抜き方。表情筋が強く動きすぎている相手は、あなたのつまらない話に耐えている
前回の記事「私たちの身体は微表情に無意識に反応している」ということを紹介させて頂きましたが、愛想笑いに関してはその傾向がさらに強いと思われます。(前回参照:「この人、何か変だ」……そんな直感には理由があった)
愛想笑いを見抜くことよりも、その愛想笑いの意味に想いを馳せる方が有用なコミュニケーションにつなげることが出来ると私は経験上思います。
そのお話をする前に、本連載の哲学が科学と日常との架け橋ですので「なんとなく」見分けられるので「これでおしまい」とするわけにはいきません。そこでまずは、本当の笑顔と愛想笑いとを分けるサインをご紹介したいと思います。
愛想笑いの可能性が高いのは次のサインが生じたときです。
① 口角が引き上げられるものの目尻にしわが生じていない(いわゆる目が笑っていない)
② 左右非対称に口角が引き上げられている(意図的に表情を作ろうとすると、愛想笑いに限らず、左右非対称になる)
③ 口角の引き上がりきるポイントと目じりが下がりきるポイントとがシンクロしない
④「笑顔」が5秒以上続く(幸福を引き起こすような一つの刺激に対しての幸福表情の継続時間)
⑤「笑顔」が唐突に顔から消える
⑥「笑顔」に関わる表情筋の動きが強すぎる
こうしたサインがあるとはいえ、意識的に見抜こうとすると目視でわかる実用的なサインは①と⑤くらいです。①のサインも最近の方々は笑顔を作るのが得意なようで、目が笑っている愛想笑いを作れる方々が多々おります。
したがって、もう①のサインは当てにならないかも知れません。他のサインに至っては、目視では見抜くことが出来なかったり、刺激と表情との関連が曖昧であったり、個人の表情筋の動かし方のクセが関係してくるため、表情分析の専門家の目や特殊な機器を用いないと厳密には計測できません。
つまり、愛想笑いは色々考えるより「なんとなく楽しくなさそう」と曖昧に判断した方が弁別精度は高くなると思います。
微表情研究家の清水建二です。表情分析の専門家であると自己紹介したり、セミナーを開催していると決まって「愛想笑い」の見抜き方について質問を頂きます。
本当の笑顔と愛想笑いとを区別するサインは科学知見からいくつも挙げることは出来ますが、結論からお答えしますと、そうした知識を知らなくても「何となく」レベルでその両者を弁別することが出来ると思います。
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