いかにして Google は検索エンジンの覇者となったのか?

理由③ - ビジネスモデル確立のタイミング

●検索エンジンはお金にならなかった  少し視点を変えてみましょう。Googleが世界最高の検索エンジンだったとしても、当時それは、「数ある世界最高の技術を持ったスタートアップの一つ」に過ぎなかったのです。  現在のようにGoogleが巨大企業になるとは、誰も考えていませんでした。  それまで、検索エンジンの収益モデルといえば、MSNやAOL、Yahoo! などのサイトにエンジンを提供する程度でした。  実際、(有名な話ですが)GoogleはExciteに一億円で買収しないか、持ちかけていました。当時、検索エンジンだけではなく、ポータルサイトを持っていたExciteのほうが遥かに金持ちだったからです。  ラリーいわく「彼らはエキサイトしなかった」ということで(ラリー・ペイジがよく使う、あまり受けないジョークの一つ)、この買収は実現しませんでした。Exciteの社史に残る失敗と言えるでしょう。 ◆検索連動型広告という革命  GoTo.com(後のオーバーチュア→Yahoo! プロモーション広告)が、検索連動型広告、リスティング広告というものを生み出すまで、検索エンジンはどう考えてもお金にならない事業でした。  そして、Googleはそれを模倣して、巨大な広告市場の支配者となったわけです。  もし仮に、検索連動型広告の誕生がもっと遅れていれば、Googleは数ある先駆的だがお金にならないスタートアップの一つとして終わっていたかもしれません。  検索連動型広告の誕生後、突如として検索エンジンは、異常なほどの利益を叩き出す、マネーメイキングマシンへと変化しました。  Google AdWordsはOvertureよりも後発ながら、セカンドプライスオークションの仕組みを取り入れることで収益性と広告主の利便性を向上させることに成功したのです。
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逃した魚は大きかったYahoo!
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