党首討論、岡田vs安倍で「時間超過」の要因を作ったのは誰か? 発言を書き起こして検証してみた

衆議院インターネット審議中継より

 6月27日、国会の党首討論が行われ、安倍晋三首相と5人の野党党首らが1対1で対峙することとなった。討論の時間は計45分間限りで、これを野党側が各党でわけあって質問を行う形だ。  そんな中、無所属の会の岡田克也代表の質問が時間超過してしまったことを受けて、討論終了後に、安倍首相が「やっぱり岡田さん、ルール守んなきゃ」と声をかける場面があった。  そもそも大前提として党首討論の各党持ち時間は、各党党首の発言時間だけで消費されるのではない。首相答弁の時間もその枠の中に含まれるのだ。前出の安倍首相による「やっぱり岡田さん、ルール守んなきゃ」発言は、「岡田代表の発言時間が超過した」という指摘ではあるが、その時間の中に、安倍首相の発言時間も含まれていることを忘れてはいけない。しかし、「岡田代表に与えられた時間が超過した」のは事実ではある。ではだれが、「岡田代表の時間」を超過させたのか?岡田代表本人なのか?それとも答弁にたつ安倍首相なのか?  この確認のため、27日の党首討論の、岡田克也代表の部分を書き起こししてみた。

「時間超過」は誰のせいか?

委員長:次に無所属の会代表岡田克也くん 岡田克也・無所属の会代表(以下、岡田):無所属の会の岡田克也です。本題に入る前に総理にお願いしておきたいと思うことが一つあります北朝鮮問題、私は今非常に容易ならざる状況ではないかと思います。6月12日のニチベイ、いや米朝首脳会談、まあここで非常に抽象的な合意がなされました。具体的なことはポンペイオ長官と北朝鮮の高官の間で詰めるこういうことになっていますが、それが順調にいっていないのではないかと思わざるを得ないです。従ってこれは私は予算委員会で集中審議、総理もご出席いただいて国民の前できちんと議論すべきだ、そういうふうに思います。そのことをまず要望しておきたいと思います。まあその上で総理の政治責任について今日は質問したいと思います。  まず前回の党首討論、枝野代表との間で森友学園に関して、その本質は何かという議論がありました。総理の答弁はなぜ値引きされたか、そしてなぜ小学校として認可されたかが問題の本質であるというふうに言われました。もちろんそれは大事な問題です。私も本質のひとつだと思います。しかし現時点で見ればより重要な問題として公文書の改ざんや隠蔽、あるいは廃棄、そして国会での局長の虚偽答弁、これは民主主義の根幹に関わる問題だと私思いますが、そういう認識は総理ありますか? とお聞きしたいと思います。 委員長:安倍内閣総理大臣 安倍晋三内閣総理大臣(以下、安倍):決済文書のまあ改ざんはあってはならないこと、でございますし、行政府の長としてその責任を痛感をしております。国民の皆様の行政に対する信頼を揺るがすことになったという結果について改めておわびを申し上げたいと思いますし、二度とこうしたことは起こらないようにしっかりと対策を取っていきたいと考えております。 委員長:岡田克也くん 岡田:まあこれは行政の信頼の問題というよりはやはり民主主義の根幹だと思います。国会で1年間議論してるんですよ。1年前に虚偽の答弁なされている、そして資料は廃棄された、いや実は廃棄されてなかった。まあそういう問題、民主主義、この国会で議論してることが1年か議論してきたことがまるで意味がないようなそういう問題で単に行政の問題ではないというふうに思うわけであります。そしてまあ私、総理が発言をずっとお聞きしていて、とても納得できない発言、それは今もありました行政府の長として責任を感じているとか国民にお詫びしたいとそういうふうに言われています。行政府の長としてという意味は行政府の過ちを犯したからその長として私は責任を感じると言うことです。  しかし私はそれは責任転嫁としか思えないんですね。行政府の誤りを犯したから私はその長としてお詫びをしていると、そうじゃないんです。総理も含めてこの問題は当事者なんですよ。まるで自分が当事者でないかのような対岸にいるようなものの言い方私はずるいと思いますよ。きちんと自らも当事者であるということをまずお認めになるべきではありませんか 委員長:安倍内閣総理大臣
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安倍自身も「長くなった」と発言
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