デパ地下で「せんべろ」も――全面リニューアルした「阪神梅田本店」を徹底解剖
6月1日、大阪・梅田に早朝から行列ができていた。その先にあったのは、朝日を浴びて光り輝く真新しいビル。この日、大阪・梅田の老舗デパート「阪神梅田本店」(大阪市北区)が建替リニューアルオープンを遂げたのだ。
永年に亘って「庶民派百貨店」として人気を集めた阪神百貨店であったが、2007年には関西一の高級百貨店として知られる「阪急百貨店」と経営統合。そして、2015年からは阪神梅田本店の建替工事が開始されていた。
大阪・梅田といえば、2011年に開店した三越伊勢丹が僅か4年で競争に敗れて閉店するなど、百貨店同士の競争が熾烈な地域として有名だ。真新しい売場でも「庶民派」の伝統は生き続けているのか、そしてライバル店とはどう勝負を挑んでいくのか――阪神百貨店が描く「新時代の庶民派百貨店像」を取材した。
まずは阪神百貨店の歴史を簡単に振り返ってみる。
阪神百貨店は1933年に阪神マートとして創業、1940年に現在地に移転。1951年にターミナル百貨店「阪神百貨店」として開店した。当初は地上2階建てであったが、1957年と1963年に大規模な増築工事を行い、地上8階建てとなった。
2007年10月には、永年ライバル関係であった阪急百貨店と経営統合し、現在は「H2Oリテイリング」の傘下となっている。
6月1日に新装開店したのは阪神梅田本店のうち建て替え第1期棟で、百貨店は地上9階~地下1階部分で営業する。建替工事に伴う総投資額は530億円。今回開業した部分の売場面積は約27,000㎡で、従来の阪神百貨店の半分の規模だが、今後の増築により元の面積とほぼ同規模となる予定だ。
新・阪神梅田本店の売上目標(2018年度通期)は410億円で、コンセプトに「毎日が幸せになる百貨店」を掲げ、「暮らし」や「健康」分野に軸を置いた「生活に密着した売場づくり」を目指すことを標榜している。
実際にリニューアルオープンを遂げた阪神梅田本店へと足を運んでみた。
開業当日となった1日の朝、2階デッキには開店を待つ多くの買物客で長蛇の列が生まれていた。そして、パフォーマーによるパントマイムの披露や吹奏楽の演奏、ハイタッチ隊による歓迎のあと、通常の開店時間を5分ほど前倒し、9時55分に華々しいオープンを迎えた。
開店直後から記念セール商品に多くの人が集まるなど館内は「オープン当日」ならではの熱気であふれたが、なかでも一番の賑わいを見せていたのは「阪神タイガースショップ」だ。1日はマスコットキャラクター「トラッキー」が1日店長を務めたこともあり、売場にはまたたく間に熱狂的な阪神ファンによる「壁」ができあがった。
創業85年を機に生まれ変わった「庶民派」阪神
開店とともに賑わったのは…やはり「あのショップ」だった!!
※都商研ニュースでは、今回の記事のほかにも下記のような記事を掲載中
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この連載の前回記事
2018.05.28
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