cba / PIXTA(ピクスタ)
「○月○日までに好事例を所定の書式で提出してください」「今月のベストプラクティス(最高の取り組み)を全員必ず報告してください」……こんな依頼に接している人も多いのではないでしょうか。
各自の取り組みの中でうまくいった事例をメンバー全員で共有して、参考にし合って類似の好事例を創出しようという、情報共有の取り組みの一環で、実施している企業は多くあります。
しかし、好事例を共有するというポジティブな取り組みにも関わらず、期限を区切られたり、所定の書式を示されたり、義務付けられたりするので、ネガティブな気持ちになってしまう人も少なくありません。
好事例を報告しろと言われても、何をどう報告すればよいのかわからずに、結局、実績が出ている事例が報告されているケースが実に多いのです。
報告をとりまとめる部門も、期限までに提出させることに躍起になるばかりで、本来目的である類似の好事例の創出ができていない状況が散見されます。
実は、プロセスマッピングを使うと、報告する側にとっても、好事例を報告しやすくなり、報告をとりまとめる部門にとっても類似事例を創出しやすくなるのです。
プロセスマッピングのスキルを使うと、アクションを時系列に捉えやすくなります。キーになるアクションを見極め、分解しやすくなり、アクション全体を俯瞰できてアクションの順番の見直しをしやすくなります(参照:
脱「何を言いたいのかわからない報告書」! 3分でできる読み手に伝わる報告書の極意)。
以下のプロセスマップの事例のように、一番上の欄に、左から右へ時系列で、自分自身がアクションしたことを記入します。プロセスを進める上で欠かせないキーとなるアクションの下には、キーとなるアクションを分解した内容が記入します。
プロセスマッピングを好事例の報告に活用するために行うことは、プロセスマップ全体を見渡して、手応えのあったアクションを見極めることです。書き出した内容の中で、どのアクションに最も手応えがあったのかを見極めるのです。
手応えがあったアクションというのは、成功したアクションとは限りません。失敗したアクションかもしれません。しかし、さまざま努力して結果として失敗してしまったアクションは、手応えがあったでしょうし、その中に、他の人の参考になる事例も含まれている可能性が高いのです。
プロセスマッピングの方式を用いると、アクションが時系列で整理され、さらに分解されていますので、好事例の報告が具体的になり、他の人に共有された時にも、理解されやすく参考にしやすくなります。
プロセスマッピング例