自民・萩生田氏の「子育てはママがいい」。海外でも報じられ外国からは驚愕の声が…

ジェンダー・ギャップで日本は世界114位

 当たり前だが、憤っているのは外国人だけではない。日本で育児をする男性からも怒りの声があがっている。 「いろいろな意見があると思いますが、今回の(萩生田の)発言に関しては愚問。『なに言ってんの?』という感じです。子どもには父親・母親どっちも必要ですし、『なんの決めつけだよ』と思いますね」(千葉県・男性・37歳)  身近な例から、「赤ちゃんはママがいい」発言の的外れっぷりを問う人もいた。 「うちの姉の家庭は、まさに奥さんが働いて、夫が主夫していました。性別は関係ないですよね。稼げるほうが稼ぐ。母乳も一歳くらいまでだし、ミルクの家庭もあるから、母親に拘る必要はないかなと。よく欧米と比べられるけど、人口とか文化が違うから難しいですよね。ただ、日本の働きかたは酷すぎる。休むことが悪いという風習は抜けてないですね」(東京都・男性・31歳)  内閣府男女共同参画局のホームページにも記載されている、世界経済フォーラムのジェンダー・ギャップ指数によると、昨年の日本の順位は144か国中114位。とても先進国とは思えない順位の低さだ。それを是正するどころか、政府高官が後押しするような発言をしているのだから、海外からの視線が冷たいのも無理はない。  子どもは国の宝。家族はもちろん、国全体でどう子育てをサポートするか議論されるなか、政府高官が親のどちらが育てるべきかなんて話をしていては、呆れられるのも当然だ。  萩生田氏には、今後「ママ、パパ、どちらが育児をするにしても、両親がともに手を取り合って育児をして、その上で発生する育児負担を減らすべく社会制度で底上げをします」と言い切ってくれることを期待したい。 <取材・文/林泰人>
ライター・編集者。日本人の父、ポーランド人の母を持つ。日本語、英語、ポーランド語のトライリンガルで西武ライオンズファン
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会