再出発のドムドムハンバーガー、旧店舗大量閉店でフードコートが「ドムドムロス」に!――閉鎖店への再出店は?

「新生ドムドム」、ドムドム跡地への再出店はある?

 では、こうした「ドムドム跡地」へのドムドム再出店の可能性はどれほどあるのだろうか。  昨年10月1日にイオン京橋店(大阪市都島区、旧ダイエー京橋店)で行われたドムドムフードサービス・佐々真司新社長の記者会見によると、新生ドムドムは首都圏・関西圏の駅近(駅ナカ・駅前)、商業施設のフードコート内を中心に今後3年間で14店舗を出店、10年間で100店舗体制を目指すとしている。  レンブラントHDは取材に対し、ダイエー時代とは一転した「拡大戦略」の発表を受けてドムドムが撤退したエリアの利用者から「撤退後に再出店の要望をいただくことがある」(レンブラントHD広報担当者)といい、「ドムドム復活」を期待する声も多く寄せられているという。
記者会見

昨年10月1日にイオン京橋店で行われたドムドムフードサービスの記者会見のようす。同社の佐々真司社長、“ドムドム総合演出プロデューサー”のラッキィ池田氏などが出席した

 だが、こうしたドムドム跡地への出店について、レンブラントHDは「現在のところ(再出店は)検討していない」(同広報担当者)という。  ここまでの新会社による3店舗の新規出店を見ても、レンブラント社のお膝元・小田急線本厚木駅前に開店した「厚木店」、浜松市のショッピングセンター内に開店した「ラフレ初生店」、姫路市のMEGAドン・キホーテ内に開店した「姫路広畑店」の3店ともにいずれもかつての“親元”だったダイエーとは縁もゆかりもない、事業としての効率性・収益性を重視した場所への出店となっており、現時点ではドムドム跡地への再出店は“望み薄”と言っていいだろう。
厚木店

昨年12月8日に出店した厚木店(左)。路面店としては18年ぶりの出店だという。厚木市はレンブラントHDの本社がある「お膝元」で、商店街にはドムドムのフラッグが飾られている

 とはいえ、「日本初のハンバーガーチェーン」であったからこそ、閉店したドムドムは店歴が長かったものが多く、長年親しんだ思い出の味を懐かしんで“ドムドムロス”を嘆く消費者も少なくない。  そして、ドムドムと歴史を共にしてきた多くの商業施設も、後継のテナントを埋められない“ドムドムロス”に陥っている。  屋台骨を失い、客の姿がまばらとなったフードコートには、今日もドムドムの亡霊がさまよっているかもしれない。 <取材/佐藤庄之助 淡川雄太 文/佐藤庄之助 若杉優貴 撮影/佐藤庄之助 愛須圭一郎(都市商業研究所)> 都市商業研究所 若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
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