相次ぐ外国人収容者の死。牛久の東日本入国管理センターで何が起きているか
2018.05.25
昨今、ネトウヨの皆さんが自慢げに語るのは「日本は素晴らしい国だ」という話です。日本の文化に世界が釘付けになっているとか、日本企業の戦略に世界が震撼しているとか、まるで日本が世界中から絶賛されているかのような言説を述べる人が増えていますが、日本はけっして素晴らしい国ではありません。日本は「人権が守られていない国」であり、「人間が人間として扱われない非人道的な国」なのです。
これはつまり、北朝鮮やシリアのことを、けっしてバカにできない「恥ずかしい国」に成り下がっていることを意味します。こんなことを言うと「反日だ」と言われるのですが、人権が無視されていることに見て見ぬフリをするなんて、どんな地獄でしょうか。
この国の人権のレベルを引き上げていかなければ、外国人のみならず、やがては日本人が困ることになってしまいます。我々はもう一度、「人権」を見直す時期に差し掛かっているのです。
ディパク・クマルさんの自殺
最初の自殺者は2010年
「東日本入国管理センター」が開設されたのは1993年ですが、2010年まで死亡事故こそ起こらなかったものの、職員による非人道的な扱いは、かねてから問題になっていました。例えば、2004年には難民申請が却下されたクルド人男性が職員と口論になり、押し倒された際に腰や背中を踏まれ、車椅子生活を過ごさなければならなくなりました。もともと腰が悪かったとはいえ、再起不能なほど腰を潰すなんて、明らかにどうかしています。
しかし、当時の課長補佐は「方法、程度とも正当な職務の範囲内」としており、まったく問題視する様子がありませんでした。ただ、仮放免中の難民たちは、この当時から「入管職員には私たちの人権を分かってほしい」「職員から暴行を受けた」などと証言していました。
最初に自殺者が出たのは2010年2月でした。25歳のブラジル人男性が部屋の掃除に使うビニール袋のゴミ袋を折りたたんで紐状にし、首を吊って自殺したのです。この時には「ゴミ袋を使って自殺するとは考えてもいなかった。危機管理の徹底などをもう一度図りたい」とコメントしていたのですが、その2か月後には47歳の韓国人男性が自殺を図りました。この様子から見ても、収容されている外国人が自殺をしたくなるほど劣悪な環境であったことが推測されます。
民主党政権下では見直しが図られていた
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