どうしてこのようなことが起こるのかと言うと、入管の職員に差別意識があるからだと思います。昨今のネトウヨにも見られますが、
「正義」があれば何をしても許されると勘違いしているのです。
確かに不法滞在していた外国人は、
「不法滞在していた」という点では悪いことをしていました。しかし、だからと言って何をしてもいいわけではありません。もっと言うと、入管の職員がやってきたことは
「殺人」です。
入国管理センターが生まれ変わりつつあるという記事が出た1週間後、収容中の中国籍の男性に対し、男性入国警備官が
「外国人をイジメるのが楽しい」と発言していたことが発覚。この中国籍の男性は刑事事件を起こして在留資格を取り消されていたのですが、日本語で雑談中に
「外国人をイジメるのが楽しい」と発言したというのです。
この職員は担当部署を外れることになったそうですが、職員のメンタルを象徴するような話だと思います。入国管理局の職員たちの根底にネトウヨが考えているような
「差別意識」があると言えましょう。昨今のネトウヨの台頭は、こうした入国警備官をさらに増長させていると考えられます。
2014年3月には2名の収容者が亡くなる事件があり、
「牛久入管収容所問題を考える会」の方々が抗議していたことが明らかになりました。恥ずかしながら、こんなふうに気づかされるまでは、こんなふうに牛久の入管収容所問題に取り組んでいる人たちがいることさえ知りませんでした。当時は亡くなった2名以外にも体調不良を訴える外国人がたくさんいて、改善が必要だと訴えられていましたが、東日本入国管理センター側は
「改善すべき点があれば改善していきたい」と答えただけで、まったく何もする様子が見られませんでした。
亡くなった方は43歳のカメルーン人の男性と、33歳のイラン人の男性です。カメルーン人の男性は16日に脚の痛みを訴え、27日に医師が診察。その後も胸の痛みなどを訴えることがありましたが、土日で非常勤の医師もおらず、外部の医師にも相談することがなかったため、30日に意識がない状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認されたというのです。体調不良を訴える人がいれば、速やかに医師の診察を受けさせるのは当然だと思いますが、放置したせいで亡くなっているのですから、入国管理センターの職員がやっていることは明らかに「殺人」です。しかし、彼らに「殺人」という意識はまるでないようです。
昨今の日大アメフト部の対応を見ても、20歳になったばかりの選手は記者会見を開いて謝罪しているのに、ジジィどもの酷い対応には辟易とさせられています。ここにも似たような話があるとしか思えません。また、もう一人のイラン人は、夕飯を食べていたところ、誤って食べ物を喉につまらせ、低酸素性脳症になって死亡したとされています。本当に食べ物を喉に詰まらせたのでしょうか。老人なら理解しないこともありませんが、33歳の男性が食べ物を喉に詰まらせるというのはあまりに不自然です。真相は闇の中なので、どうしてこのようなことが起こるのかはわからないままです。
同年11月にはスリランカ国籍の57歳の男性が胸の痛みを訴えながら医師の診察を受けられずに死亡しました。3月にカメルーン人の男性が医師の診察を受けられずに死亡したばかりなのに、
「改善すべき点があれば改善していきたい」と述べただけで何も改善しなかったので、医師の診察を受けられずに死亡する事件が繰り返されることになったのです。この時点で、日本の入国管理センターがいかに腐っているのかが分かると思います。彼らがやっていることは明らかに
「殺人」なのです。
2017年にベトナム人が医師の診察を受けられずに死亡
2017年3月には47歳のベトナム人男性が、1週間前から体調不良を訴えていたのに、外部の病院で専門的な診察を受けさせてもらえなかったため、くも膜下出血で死亡する事件が発生しました。しかも、この報告書には改竄の疑いが囁かれているので、森友学園の土地取引問題と同じように、不都合な証拠を隠している可能性があります。
報告書によると、ベトナム人男性はセンターに入った2日後の3月18日の夜から頭痛を訴え、意識が朦朧とし、失禁するなどの症状も確認。センター内で非常勤医師の診察を受け、「筋緊張性頭痛」と診断され、頭痛薬が処方されました。しかし、その後も頭の痛みを訴え、25日に意識不明となり、死亡が確認されたというのです。
頭痛を訴えた時点で専門的な検査をすれば、くも膜下出血を確認できたはずでしたが、薬の服用で一時回復したことなどから
「重篤な病気と認識するのが難しかった」として、報告書では
「センターの対応に過失はなかった」と結論づけました。
これまで何度も収容された外国人が亡くなっているのに、今になっても過失を認めず、改善される様子がないのです。それどころか、まったく職員の非人道的な対応はまったく変わらないため、今年に入ってインド人男性が自殺。その後も自殺未遂が相次いでいるといい、いよいよ本格的に
「東日本入国管理センター」のあり方について考えなければならない時が来ているのです。