強権的なトルコのエルドアン大統領も利上げを容認せざるを得ない局面に。スワップの上昇期待も 写真/AFP=時事
とはいえ、新興国通貨投資で最も心配なのは、さらなる相場の下落だ。池辺氏は長期でスワップ金利を狙うなら、強制ロスカットに遭わないよう資金管理を徹底することが最重要だと強調する。
「100万円の資金でリラに投資するなら、ポジションは6万通貨までに抑えること。50万円なら3万通貨が目安です。これなら下落局面にも耐えながら、3年通貨でも10万円超のスワップを受け取り続けられます」
志摩氏は「追加投資できる程度に余力を残しておくのがポイント」とアドバイスする。
「どの通貨も年に数回は急落する傾向があるので、そのときに追加投資できると有利です」
さらに池辺氏はトルコリラについて、長期的に明るい材料があると指摘する。
「今は資源に乏しく輸入頼みのトルコですが、実は周辺に石油資源が眠っていることがわかっています。第1次世界大戦時に結んだ『ローザンヌ条約』で100年間地下資源の開発を禁じる『密約』があるとされていますが、’23年にそれが切れるのです」
採掘が始まれば原油を自給自足できる。貿易赤字が解消されて経済が上向き、リラが買われて上昇することが期待できるという。
さらにリラが近く大きく反転する兆しは、すでにチャートからも見てとれると、池辺氏は説く。
「リラは5月に入って過去最安値を更新してきたものの、これまでの急落局面のような急激な下げ方ではない、下げ止まりそうな底堅さが見られます。23円台までは下がる可能性を考えておく必要がありますが、おそらく今が絶好の買いチャンスではないでしょうか」
これまで多くの投資家が夢破れてきたスワップ狙い長期投資。ここからいよいよ勝ち組が続出する日も近づいている。