コスタリカ以上に中国が影響力の拡大で力を入れているのが昨年中国と国交樹立したパナマである。運河に隣接したコロンフリーゾーンにクルージングとコンテナー用の港を建設している。更に、コスタリカの国境まで鉄道の建設も計画している。
まだ国交のないホンジュラスではダム建設、ニカラグアでは無線ケーブルの設置などを実施して台湾を蹴って中国と外交関係を結ぶように誘っている。
今回、外交を樹立させたドミニカ共和国へもまだ明らかにされていないが、中国から高額の資金の提供やインフラ開発事業などへの支援が密かに決められているはずである。
結局、台湾が今後も国交を維持して行ける国は僅かの小国になってしまう可能性が高い。むしろ、台湾は非公式な関係を各国と持って貿易取引を拡大させて行くしか残された道はないのかもしれない。いずれにしても、日本にとっても台湾は大事にしないといけない国なのは言うまでもない。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。