中国が札束にものを言わせてドミニカ共和国と国交樹立。割りを食う台湾

追い詰められる台湾

 今回のドミニカ共和国の台湾との断交で両国の77年続いた外交関係に終止符が打たれた。この結果、台湾は19か国と外交関係を持つだけとなった。その中の大半の国は中米、オセアニア、アフリカの小国で、国家としてある程度の体を成しているのはエル・サルバドル、グアテマラ、ハイチ、ホンジュラス、ニカラグア、パラグアイそしてヨーロッパでは唯一バチカンだけとなった。  次に中国が崩しにかかるのはエル・サルバドルだと噂されている。また、バチカンもフランシスコ法王になってから、信者を増やすのに巨大な人口を抱えている中国との外交関係の樹立に法王は関心が深く、両国の外交樹立は時間の問題だと言われている。しかし、バチカン内部で法王のバチカンの改革に反対派も多く、外交面でもそれが反映されている。また中国政府が政治的に創設した中国のカトリック教とバチカンのローマカトリック教の双方がどのように調整して共存して行くのかという疑問がある。特に、ローマカトリック信者への中国国内での関係当局による弾圧は今も続いている。  ラテンアメリカの大半の国が台湾と断交したのは1970年から80年代であった。南米では唯一今も台湾と外交関係を維持している国はパラグアイだけである。一方の中米は台湾に忠実な国で占められていたが、2007年にコスタリカが断交してから、昨年はパナマがそれに続いた形で、そして今回のドミニカとなった。(※ニカラグアは一度台湾と断交して中国と外交を結んだが、その後また台湾との関係を復帰させている)  コスタリカが台湾と断交したことが、中米諸国が中国に目を向ける導火線の役目を果たすことになったのは事実である。この決定を下した当時の大統領はオスカル・アリアスで、彼は1980年代後半に中米でニカラグア紛争やパナマ紛争などを鎮めるのに中米諸国の中でリーダー的な役目を果たしたとして1987年にノーベル平和賞を授与されていた。  その彼が、台湾からの支援金では国に発展は不十分であると見て、2007年に当時の外相と財務相を密かに北京に送って国交樹立の調整をさせたのであった。そして同年6月1日に両国の外交が樹立となった。しかし、それを公にしたのは1週間後の6月6日であった。  当時の台湾の陳水扁総統は同月10日の台北タイムズ紙に「コスタリカの台湾との断交には多種理由があった」と述べた上で、「最も決定的な要因となったのは、中国がその多種理由を購入するために4億3000万ドル(465億円)をコスタリカに提供したからだ」と明かしたのであった。  更にもう一つ理由があった。国連の非常任理事国のメンバーになるのに中国の後押しを望んだからであった。当時、そのライバルはラテンアメリカや発展途上国からの支持を得ていた今回中国と外交を樹立したドミニカ共和国であった。結果は2008年にコスタリカは望んでいた通りそのポストを得た。(参照:「Nacion」)
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中国の対中米投資戦略
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