「オワコン」と言われる今こそ 連ドラを観るべきワケ

境正雄
 いきなりだが、筆者はテレビドラマが大好きである。少なくともここ数年、民放の連ドラを中心にほぼすべての作品を視聴している。中にはあまりにつまらなかったり自分の嗜好と合わなくて途中で脱落するケースもあるが、それはごくわずか。なんだかんだ言いつつも、最終回まで完走するのが常である。

 こういう話をすると、しばしば言われるのが「日本のドラマは面白くない。ドラマを観るなら海外ドラマ」というコメントだ。しかし、そう言う人々はそもそも日本の連ドラを観ているのだろうか? たしかに視聴率こそ低迷しているが、それはドラマに限らずテレビ全体に言えること。視聴率が低ければつまらない、とは必ずしも言えないのだ。そして実際、ドラマをつぶさに見ていけば、なかなか捨てたもんじゃないということがわかってくるはずである。当記事では現在放送中のドラマを振り返りながら、ここ数年の日本のテレビドラマ事情を考えてみたい。

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視聴習慣を踏まえたラインナップは成功

 まずは、お馴染みフジテレビ系列月曜21時、いわゆる“月9ドラマ”。今期は長澤まさみ主演の『コンフィデンスマンJP』が放送されている。詐欺師グループが金にがめつい悪人から大金をせしめるという1話完結モノ。ネット上では「荒唐無稽」「嘘っぽい」「設定がありえない」という声が散見されるが、そもそもドラマなんて虚構の物語。荒唐無稽な世界を楽しめるのが魅力なのだ。その観点からすると、毎話スッキリした気持ちにしてくれるのだからなかなか満足度が高い。

 ただ、過去1年あまりの月9ドラマを振り返ってみると、『突然ですが、明日結婚します』(恋愛)、『貴族探偵』(ミステリー)、『コード・ブルー』(職業/青春)、『民衆の敵』(政治)、『海月姫』(恋愛/コメディ)と、意欲的なテーマがあったり、かなりバラエティに富んでいるのだが、反面、かつてもっていた「月9=トレンディな恋愛もの」というイメージはなくなっている。

 連ドラを見るには、毎週同じ時間に家でテレビをつけるという“視聴習慣”が大切。つまり、作品が変わっても同じ枠のドラマを見続けているという人は少なくないはずだ。90年代、全盛期の月9は、“OLが必ず観る”という女性たちの視聴習慣に合わせたタイプの作品がヒットを連発していた。今の月9は誰をターゲットにしているのかわからない作品が並んでおり、これがなかなか人気大爆発とはいかない理由かもしれない。

 反対に、そんな視聴習慣と作品の共通したテーマ性で成功しているのが近年大ヒットドラマの多いTBS系列日曜21時からの『日曜劇場』と日本テレビ系列水曜22時からの『水曜ドラマ』だ。『日曜劇場』では『半沢直樹』(’13年)、『陸王』(’17年)、『99.9』(’16年)など大ヒット作品が多く、現在は人気小説を原作にした二宮和也主演の医療モノ『ブラックペアン』が放送中だ。重厚感のある作品が多く、社会性やメッセージ性の強いものも目立つ。

『水曜ドラマ』では、こちらも小説が原作で吉高由里子が若手検事を演じる『正義のセ』だ。『過保護のカホコ』(’17年)、『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(’16年)、『花咲舞が黙ってない』(’15年)などの過去作を見てもわかるように、女性が活躍するというパターンが貫かれているのだ。視聴者は多少の好みの差こそあれど、安心して毎クールこれらの枠のドラマを楽しむことができる。

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ヒット作を生み出す条件とは?

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