フィンランドだけが夏と冬時間の変更に苦情をいっているのではなく、<ドイツ、フランス、ベルギー、オランダ、スウェーデン>も同様にこの時間の変更を批判しており、経済的効果と健康上において支障がないか真剣に検討されるべきだという要望が次第に強くなっている。
EUの決定に常に反抗的な姿勢もっているポーランドの現政府は来年から時間の変更は行わないと発表している。
時間変更の被害として飛行機の時差ボケ「ジェットラグ」に似たような、「社会ジェットラグ」の被害を多くの市民が被っているという意見もある。特に、グリニッジの時刻と比較して、夏時間の場合はヨーロッパ大陸ではポルトガルとスペインのカナリア諸島を除いて時刻を2時間ほど故意に先に進ませているのである。これは生理的に新陳代謝に悪影響するという意見もある。
2008年にスウェーデンで研究された内容によると、夏時間に変更して最初の三日間で心臓発作に見舞われる人が平常時に比べ5%増えるという調査結果が出ていたという。
また、時間を変更した直ぐ後の月曜日は交通事故や労働事故が通常よりも増加する傾向にあるという研究もあるそうだ。
更に、照明の節約を夏時間の実施によって実行できても、冬になれば暖房の消費が増えるということで相互に電気の消費は相殺されて、エネルギーの節約には必ずしもならないという研究結果も出ているという。(参照:「
El Pais」)
そうは言っても、夏と冬時間の変更は電力消費の節約になっていることを主張している「エネルギーの多様と節約の協会(IDEA)」の報告もある。それによると、2016年の夏と冬時間の適用で電力消費量で5%の消費の節約>になり、それは<金額にして3億ユーロ(390億円)に相当するとしている。(参照:「
Energy News」)