「夏時間で電力消費節約はうんざりだ!」EUで高まる「夏・冬時間変更制」への不満

白石和幸

congerdisign via pixabay(CC0 Creative Commons)

 3月と10月のそれぞれ最後から2番目の週末に夏時間と冬時間の変更が欧州連合(EU)で90年代から実施されている。

 今年は3月25日の土曜から26日の日曜にかけて時計の針を1時間進ませて夏時間に入った。25日の夜中12時を過ぎて、26日の午前2時になった時点で時計の針を1時間進ませるのである。一般家庭では態々その為に2時に起きてその操作をするのは不都合で、寝る前かあるいは起きてからその操作を行うのである。そして10月には冬時間に戻るのに夜中3時になった時点で時計の針を2時に戻すのである。これを実施する主要目的は電力の消費量を少なくする為とされている。

 しかし、最近になってこの時間変更の廃止を要望する声がEU内で高まっている。特に、北欧でこの要望が強くなっているという。各国の国民の習慣は夏でも冬でも殆ど同じだ。夏になると日照時間の長くなる北欧では1時間進ませて夏時間にすることによって、1時間余り日照時間を失うことになるという。冬は一日の大半が暗いので夏時間でも冬時間でも電力の消費に影響はない。

 フィンランドでは夏と冬の時間変更に反対する市民から77000人の署名を集めて今年2月に欧州議会に夏冬時間の変更が果たして価値のあるものかを検討するように動議を提出した。その結果、賛成384票、反対153票、棄権12票で可決した。(参照:「Bolsa mania」)

 よってEU議会でそれを検討することになったが、EU加盟国が一致した結論に至ることは難しいと推測されている。

 なぜなら観光業が経済の重要な柱になっている南欧の国では夏時間になると日が暮れるのは遅くなり、夜であっても比較的明るく観光業にプラス効果があるからである。また、スペインの場合は市民にとっても仕事が終わった後も街が明るいと消費をより促進させることに繋がると言われている。それを利用してか、商店街の閉店は夜10時というのはざらにある。一方のフィンランドでは午後3時には閉店になるという。

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時間変更で健康被害説も浮上

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