公営ギャンブル、選手・騎手の携帯持ち込み制限は厳しくするべきか?

芝コース

日本の公営競技が通信機器持ち込みに厳しい理由

1.「公営」競技だから  日本は刑法185条で、賭博は原則禁止されている。しかし、個別の法律で例外的に行政による管理の基で認められているものが公営競技だ。競馬なら競馬法、ボートレースならモーターボート競走法、競輪なら自転車競技法、オートレースなら小型自動車競走法がそれにあたる。  個別に法令が作られる根本には「博打を全面禁止にしたところで、闇で勝手に博打をしてしまう」という過去の経験から「国や地方が管理のもと許す博打を設けることで、裏で勝手に博打を行わないようにする」ことと「行政への収益」が目的にある。  前置きが長くなったが、要するに「官が管理してやる博打だから不正の余地を与えたくない」という前提があるわけだ。  もちろん、海外の競馬における主催者は主に民間だ。ここに基本的な差がある。 2.3~8日連続で開催される日程だから  中央競馬以外の大半は「節間開催」という形で3~8日間で連続開催をする。ボートレースやオートレースの場合は、予選を複数日開催し、成績上位者で準優勝戦、優勝戦と開催してゆく。競輪では基本3~4日に、トーナメントで予選、準決勝、決勝と日程を進めていく。いずれにせよ、競馬が基本単発のレースをこなしていくのとは形態が違う。長期間選手を連続で拘束する形になるため、合間に通信ができる状況を許しづらいのだ。  地方競馬でも平日に連続開催をしている場合もある。大井などを含む南関東競馬がそれにあたる。

携帯持ち込み段階では「内規違反」

 ただ、携帯を持ち込んだ場合の違反に対する呼び方は競技によって違う。先日発生した競輪の場合は「管理秩序違反」、ボートレースの場合は「管理規定違反」だ。呼び方は違えど、これらは全て内規の違反であり、実は先に紹介した競馬法や自転車競技法のような法律の違反ではない。今回の大久保花梨選手の違反についても競輪統括団体のJKAでは、 「違反したのは『管理秩序違反』です。自転車競走法でも競技規則でもありません。もちろん、八百長行為などのために外部と通信したならば法律違反になりますが、現在のところは所持に対して即日契約解除となりました。正式な処分は後日決定します。」(JKA広報担当)  とのこと。整理すると、通信機器を持ち込む行為はあくまでも内規違反であり(中央競馬では機器の持ち込みは可)、通信があったうえでさらに、八百長などの疑いがある状況が明るみに出なければ「犯罪」として捜査する法的な理由はないのである。  八百長防止のための通信機器規制なのだが、通信機器の所持だけでは主催者側による聴取や内規違反への処分はできても、そこまで厳しく調査できない、というのが実情だろう。そのため処分も大半は一定期間の出場停止で終わるのが通例となっている。
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「緩和すべき」派と「厳しくやれ」派で意見が二分
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