<現役愛人が説く経済学26>LINEで「愛してる」と言う男の50%は、カネを出し渋る「モンスター顧客」

LINEに熱心な男性との成約率は60~70%

 私は、Aさんへの営業は比較的やりやすいと判断いたしました。一般的に、返信があまり来ない顧客との愛人成約率が10%としましたら、LINEに熱心な男性との成約率は60~70%までハネ上がります。心理的な距離の近さを維持しやすいからです。  AさんからのLINEには、1度しかお会いしていないにもかかわらず、恋人同士のようなキーワードが目立つようになりました。 「次のデートが待ちきれない」ですとか、「才子さんとの夜が楽しみで仕方ないよ」「好きだよ」。はては2度目の顧客訪問(デート)が終わって以降、「愛してる」という恐ろしいワードを多用するようになったのでございます。  これでは失策です。テレビ東京系列で昨年秋に放送されていたドラマ「フリンジマン」でもいわれておりましたが、愛人関係に「愛してる」は禁物。愛には「無償の」という言葉がつきまとうからです(「好き」には「無償の」が似合わないのとは対照的です)。  愛人関係はビジネスですから、当人同士が愛し、愛されたいと願ってはいけません。  ところが、LINEのスピード感によって気持ち(愛)が高ぶった顧客にしてみれば、自分は無償の愛を提供しているのだから、私にも無償で時間や身体、精神的なケアを提供しろということになります。  私が求めているのは愛人であって、愛ではないのですが、LINEというツールはそこを勘違いさせてしまう魔力をもっているのです。  LINEで「愛してる」を多用する男性は、50%以上の確率で金銭を出し渋るようになります。 「僕は心から君を愛しているのに、どうして~~してくれないの?」という不満が頻発し、金銭的なやり取りなしにサービスを享受しようとするクレーマーに変貌します。  短期間で「愛してる」を連発するようになったAさんへの営業は、失敗に終わりました。 <文・東條才子>
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