「カナダのトルドー首相はカストロの息子」説がSNSやスペイン語圏で根強く拡散している理由

白石和幸

Twitterより(@Lagendijk161)より

 キューバ革命の指導者だったフィデル・カストロが2016年11月に亡くなって以降、カナダの首相ジャスティン・トルドーがカストロに酷似しているという話題がネットなどでも盛んに取り上げられるようになった。

 今年に入ってもその噂は、カナダだけでなく、特にスペイン語圏で絶えることなく囁かれている。そんな事態を前に、それを否定すべく遂にカナダ政府まで乗り出すまでに至っているのだ。



 例えば、スペイン電子紙『El Confidencial』は2月18日付で、<「ジャスティン・トルドーはフィデル・カストロの息子ではない。カナダはネットの理論を否定」>という見出しで、その噂が広まっているのを前にカナダ政府がそれを否定するのに乗り出したことを報じている。

 同様に『DIARIO DE CUBA』も同日付で「No、ジャスティン・トルドーはフィデル・カストロの息子ではないとカナダ(政府)は明確にした」という見出しで報道した。

 今月に入ってカナダ政府の正式な否定を記事にした両紙だが、わざわざ記事にしたのには理由がある。なぜかスペイン語圏ではこの噂が実に広く流布しており、2015年くらいから何度も大手メディアで報じられてきたのだ。その一部を紹介しよう。

●スペイン紙(電子版)『abc2015年10月配信記事:「マーガレット・トルドー、服従させることのできないカナダ首相の母親」
●メキシコ電子紙『Sinembargo2016年12月配信記事:「フィデル・カストロはジャスティン・トルドーの父親?インターネット利用者がその理論をソーシャルネットで放った」
●メキシコ紙(電子版)『Excelsior2017年10月配信記事:「ジャスティン・トルドーを取り巻く理論、フィデル・カストロは本当の父親か?」
●スペイン語圏で最大の配信社『EFE:2016年11月配信記事「トルドーのキューバ訪問は公式訪問というよりも、家族が関係した私的なものだ」
●アルゼンチン電子紙『infobae2016年11月配信記事:「フィデル・カストロが亡くなる最後の日々とジャスティン・トルドーに対するミステリーな無礼」

 ここまでくると、トルドー首相がDNA鑑定でもしない限りこの噂が絶えることはないであろう。

 なぜここまでスペイン語圏でこの噂を根強く信じる人が多いのだろうか? それには、幾つかの理由がある。その一つが、この噂をあたかも裏付けるような話が噂とともに広がっているからである。

 どんな話が「裏付け」として信じられているのか。以下に披露しよう。

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「トルドーはカストロの息子説」信奉者のいう「裏付け」

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