その方法とは、学生さんが志望動機や長所や短所を話しているときに、眉間に力を入れた表情をしながら学生さんの話を聞く、というものです。
眉間に力を入れるとは、
眉を中央に引き寄せながら下げた表情のことです。
眉間に力を入れる表情
この表情は熟考を意味します。
目の前にこの表情を浮かべている人がいれば、「熟考をしなければいけないほど話の内容が難しい」、あるいは「あなたの話と私の頭の中の情報とを組み合わせています。まだその作業が完了していません」、そんな意味です。
またそんな意味を目の前にいる人に伝えることが出来ます。
一方、眉間のしわを通じてこうしたメッセージを伝えられた学生さんの反応パターンは次の通りです。
<コミュニケーション能力が高い学生さん>
そもそも説明の仕方が明瞭であったり、話の構成が上手いこともありますが、同時に相手の様子を良く観ながら、相手がどんな説明を欲しているのか、どんなところで疑問を抱いているのかを把握し、会話の情報量を調整しようとします。
具体的には、面接官の眉間に力が入るのに気づけば、話すスピードを下げたり、間を置いたり、「ここまでで何か不明瞭な点はございますか?」などと尋ねてくれます。
<コミュニケーション能力の低い学生さん>
暗記してきたこと(志望動機や学生時代に力を入れてきたこと)を忘れないうちに吐き出すことが先決になり、あるいは、答えに窮する質問に何とか答えようと四苦八苦し、面接官の眉間のしわを観るどころか、視点は定まらず、中には目を閉じてしまって、自分のペースのままで話し続ける場合が多いです(こうした学生さんでも話しやすい雰囲気にするテクニックもありますが、またの機会に)。
「相手の感情を読み、その感情に合った適切な行動をとる」
これは元々、私たちの体内に埋め込まれた自然の機能です。しかし、これまでの育成環境やコミュニケーション経験の蓄積、あるいは面接という緊張した場によって、この機能が上手く作動しなくなってしまうのです。