こうした事態を防ぐには、メールではなく、電話をして都合を合わせてしまうという手があります。また、もし電話がしにくい相手だったり、電話ではつかまりにくかったりする相手だったら、最初のメールで、
『打ち合わせをしたいのですが、○日の○時または、○日の○時はいかがですか』
と聞いてしまえば、一往復で決まらなかったとしても、少なくとも前出のような7往復して決まらないと言う事態は防げたと思います。
なぜ、最初のメールで候補日を挙げなかったのか、こうした事例を挙げた人たちに、やんわりと聞いてみた。すると私には、意外な答えが返ってきた。
ミーティングのスケジュールを決めるにあたって、依頼者である自分から候補日を挙げなかった理由はこうだ。
《依頼者から候補日を挙げないメールをする理由》
・自分は相手より目下なので、自分から候補日を挙げるのは失礼だと思った
・相手は自分より忙しいので、自分から挙げると断られる可能性が高いと思った
・相手が忙しい中で、落ち着かない気持ちでミーティングを実施しても効果がないので、相手の都合を最大限優先したかった
・自分から候補日時を伝えることは、押しつけがましいように思ったので避けた
・だいたいの候補日の範囲を聞いてから、候補日時を挙げた方が効率的だと思った
・相手に決めてもらうことが、相手を巻き込むことに必要だと思ったので、出来るだけ相手に候補日を出してほしかった
・質問して相手に答えてもらうことで、相手を巻き込む手法を学んだのでそれを実践しようと思った
確かに相手との関係性で、依頼した側から候補日を提示しづらいこともあるでしょう。そういう場合には、
『例えば、私のほうは、○日○時、○日○時などで、ミーティングが可能ですが、ご都合いかがでしょうか』
……というように、
「例えば」「私のほうは」「○日○時“など”で」
という文言を入れて、「相手の意向を尊重します」というニュアンスを伝える方法もあります。
このように伝えれば、「○日○時、○日○時のいずれも都合が悪いが、○日以降であればよい」という返答が返ってくる確度が高まります。仮に、「○日○時、○日○時のいずれも都合が悪い」という返答だけだったとしても、「では、ご都合のよい日時を何通りかご教示いただけますか」と聞きやすくなるでしょう。そうすれば2往復くらいで、スケジュールが決まることになります。