ファミコンで株を学んだ男が資産15億円を達成するまでの道のり

横這氏の「資産15億円」までの道のり

横這氏の「資産15億円」までの道のり

幼少期 ファミコンゲームで株式投資を知る

 横這氏が株式投資に興味を持ち始めたのは小学生の頃。 「『松本亨の株式必勝学』というファミコンゲームをやって、『働くのとは違う方法でお金を増やすことができる』ということを知ったのが、株式投資に初めて興味を持ったきっかけでした。それ以降、『大人になったら株をやるべき』と思っていましたね。中高生の頃は売買はできなかったので、新聞の株価欄を毎日保存して、パラパラ漫画みたいにして見ていました(笑)」  1990年代後半、大学生になってすぐ10万円でミニ株を始めたという。 「大学では会計学を学んでいましたが、当初はたいした投資手法もなく、値ごろ感だけでやっていて損し続けました。1990年代後半は不況からマーケット環境も悪く、会計基準が緩かったこともあり、保有株のうち4社がいきなり倒産したことも……。今ではBS(貸借対照表)やPL(損益計算書)、決算書などは企業のHPで誰でも入手できますが、当時は手に入らず『四季報』しかなかったんです」  大学卒業後は地元に帰って、金融機関に就職。「大学時代、銀行員時代に学んだことが役にたっているかもしれない」と振り返る。 「株には『買う』『持つ』『売る』しかありません。勝つためには勉強しないといけない。いつも投資の観点から、現金と有利子負債がどうなっているか、営業キャッシュフローがプラスかどうかを見ています

2000年代 PBRに着目した「割安投資」に開眼

 初期から純資産が多い銘柄に長期投資していたという。簡単にいえば「PBR」に注目した割安投資だ。 「大きく値下がりした会社やチャートの形状が底を這っている銘柄を大量購入して噴き上げを待ったりしていました。大きな転機は’06年に買ったライブドアマーケティングでした。株価330円だったけど、純資産の視点からいうと株価1800円あってもおかしくなかったので、600万円を投資。’06年4月に上場廃止となったのですが、’08年12月に『433円で買い取る』とTOB(株式の公開買い付け)が発表されたんです。これによって120万円ほどの利益を得ることができました」  この頃には、「TOBされそうな銘柄を狙う」という手法が確立されていったという。  その後もTOB銘柄を続々と的中。  ’09年1月、平均8万円で600万円分買っていたアクセスが「株価13万円で株を買い取ります」と発表。400万円ほど儲けたという。 「当時、政府や東証は『親子上場の解消』を推進していたので、『親子上場している子会社を買えば、親会社が株を買い取ってくれるんじゃないか』と思い、TOBされそうな銘柄を探していました。不祥事が発覚したローソンエンターメディアは、ローソンが責任を取るんじゃないかと買ってみたら、実際に高く株式を買い取られたのです」  純資産のある会社が買収の対象になりやすかったので、純資産や現金が多い銘柄に注目して銘柄を選別し乗り換えて行くと、それらが見事に当たって、面白いように資産が増加したという。
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