“マネキン・スカイウォーカー”宇宙へ! Amazon創業者のロケット、宇宙旅行の実現に向け開発進む

宇宙旅行の実現を目指して、ブルー・オリジンが開発中の「ニュー・シェパード」ロケット Image Credit: Blue Origin

 Amazon.com創業者ジェフ・ベゾス氏の宇宙企業「ブルー・オリジン」は2017年12月12日(現地時間)、宇宙旅行の実現を目指して開発中の、新しいロケットと宇宙船の打ち上げに成功した。  打ち上げ試験は数年前から続けられているが、今回はより実際に宇宙旅行で使う機体に近い、改良型の機体を使った初めての試験だった。  これにより、2018年に予定されている初の有人飛行、そして宇宙旅行の実現に向けて、大きな一歩を踏み出した。

わずか数分、されどそこは宇宙空間

 ブルー・オリジンは、Amazon.comの創業者でCEO、またワシントン・ポスト紙のオーナーとしても知られる、世界有数の大富豪ジェフ・ベゾス氏によって立ち上げられた宇宙企業である。  2000年の設立以来、同社は「人類が宇宙に進出し、活動の場とするため」という目標に向け、「Gradatim Ferociter」(ラテン語で「一歩一歩、獰猛に」)というモットーを掲げ、ロケットや宇宙船の開発を続けてきた。  ブルー・オリジンは現在、大きく2種類のロケットを開発している。  ひとつは、大型の人工衛星や宇宙船を、地球を回る軌道に打ち上げられる大型ロケット「ニュー・グレン」で、2020年の初打ち上げを目指している。  そしてもうひとつが、地球の軌道には乗らないものの、高度100kmの宇宙空間にまで到達できる、「ニュー・シェパード」というロケットである。  地球を回る軌道にものを打ち上げるには莫大なエネルギーが必要で、ロケットも設備も大掛かりなものが必要になる。  しかし、ただ高度100kmに到達するだけなら、その10分の1ほどのエネルギーで済む。この場合、ずっと宇宙に滞在することはできないが、高度100kmに達したあたりでは真っ暗な宇宙空間と青い地球を眺めることができ、宇宙船の中は微小重力環境(いわゆる無重力状態)にもなるため、わずか数分間ではあるものの、それさえ割り切れれば、比較的手頃に「宇宙旅行」を楽しむことができる。  また、必要なエネルギーが少なく済むということは、その分ロケットや宇宙船もシンプルかつコンパクトにでき、結果的に乗客が支払う運賃も安価になる。
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