新説! 新興国通貨は積み立てが一番!? スワップ狙いはどこまでいける?
2017.12.04
「昨年の米大統領選ではトランプ当選が不安視されメキシコペソ/円は5円を割り込みました。メキシコ中銀が連続利上げを行った背景には通貨安対策の意味合いもあったのです。その後、トランプの“口撃”が落ち着いたことや利上げ効果などで6円台を回復しましたが、メキシコ中銀が利上げを打ち止めにする一方、アメリカは利上げを継続中。金融政策が対照的になり、10月には再び5円台へ突入しています」(同)
対米ドルでペソが売られれば、対円でもペソ安となりやすい。その影響で、直近のペソ/円も安値圏にあるのだ。
「しかし、ペソ安に対してはメキシコ中銀が介入を行っていますし、介入余力もまだあるはず。また、米ドル/円も金融政策から考えれば上昇傾向です。米ドル/メキシコペソが上がっても、米ドル/円も上がればお互いに打ち消しあって、メキシコペソ/円は横ばいとも考えられます」(同)
為替レートが横ばいならば安心してスワップ金利を享受できる。ただし、一つだけ注意すべきイベントがあるという。
「来年の大統領選挙です。ポピュリスト政党がメキシコでも躍進しており、世論調査ではポピュリスト政党の党首ロペス・オブラドール氏がトップ。彼が反米姿勢を強めるようなら対米輸出がさらに落ち込む可能性がありますし、それを危惧したペソ売りが選挙前に出てくる可能性がある」(同)
選挙は来年7月。それまではトルコリラや南アフリカランドといった他の高金利通貨に目を向けるべきか。実際、高橋氏もメキシコペソとともにトルコリラへの積み立て投資を行っているという。ただし、こちらも不安材料がある点に注意したい。
「アメリカは景気がよく、利上げを継続中。ドル高となる時期には新興国通貨全般が弱含むケースが過去に多く見られます。個別の事情を見ても、トルコは強権的なエルドアン大統領が交代しない限り、国際的な信用を得にくく、大幅な上昇は望みにくい。」(同)
「南アフリカでは12月に与党の総裁選挙を控えています。足元ではズマ大統領の交代期待から南アランドが上昇しましたが、続投となれば失望売りが出やすい」(同)
’18年7月のメキシコ大統領選が不安材料に。下げ相場を拾うのが得策か!?
12月に与党の総裁選。不評のズマ大統領交代なら上昇期待
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