立憲民主党よ、胸を張れ! 胸を張り、リベラルを誇れ!

 選挙戦も折り返し地点をすぎ、残すところあと数日となった。

 先週末実施された報道各社の情勢調査は、軒並み面白い傾向を示している。あれだけ鳴り物入りで登場した希望の党への支持率が完全に失墜。かわって、希望の党への合流をよしとしない人々が枝野幸男を中心に再集結し立ち上げた立憲民主党が「大躍進」ともいうべき伸長をみせ、いまや政党支持率では希望の党のそれを上回る情勢となっている。

候補者の「質」が如実に現れた「希望の党」

 たしかに、取材で各選挙区を回ってみても、希望の党は、知名度そのものがあまりにも低い。東京など大都市圏近郊を除けば、「希望の党?ああミッチー(故・渡辺美智雄)の息子の党?」という有権者にでくわすほどだ。

 最大の要因は候補者の質。旧民進党から合流した候補者を除き、小池政治塾出身を中心とした「非民進・希望の党独自候補」は、ほぼ全員が有り体に言えば泡沫候補。自身の公式Webサイトさえ公示後になっても開設できていない候補者や、街頭演説の冒頭で「私はご当地と縁もゆかりもありませんが、小池百合子氏とともにこの地域を変えたい一心で立候補しました」と、地元有権者の反感をあえて買おうとしているのかと思うような挨拶をしだす候補者など、「議員としての資質」以前に、「社会人としての資質」に疑問符がつくような候補者ばかりだ。

 このような候補者がいかに各選挙区で地上戦を繰り広げようとも、その候補者の得票数はおろか、希望の党そのものの知名度すらあがらないだろう。

 一方の立憲民主党。どの選挙区をまわっても立憲民主党の候補者は「古強者」揃いであることを印象づけられる。東京1区で自民党の山田美樹候補と激しいつばぜり合いを繰り広げる海江田万里候補をはじめ、前回の衆院選で落選の憂き目にあった候補者も含め、「苦戦の選挙などお手の物」と言わんばかりの歴戦の経験者ばかりだ。

 連合や、市民運動体などの支持組織との紐帯のみならず、そもそも候補者自身が長年の政治活動で獲得し共に成長して来た分厚い一般支持者の層が存在している。報道各社の情勢調査でも「東京都内の選挙区ですら、希望全滅。立憲民主、意外な伸長」との傾向が示されるのも無理はない。

 たしかに、希望の党は9月最終盤から、失策が目立った。

「政権交代は次の次」とせっかくのムードに水を差すような愚劣な発言を繰り返した若狭勝だけでなく、「首班指名選挙では山口那津男と書く」と奇策を繰り出したにもかかわらずそれを直後に撤回し、最後の最後まで首班指名を誰にするか明らかにせず、自身も衆院選に出ないという奇怪な判断を下した小池百合子にしても、彼・彼女らが9月最終盤・10月冒頭にみせた「喧嘩下手」というにも下手すぎる醜態は、「所詮、希望の党は素人集団」「小池百合子の個人的パフォーマンス」との見方を日本中に印象づけた。希望の党はその誕生のわずか2週間後に「オワコン」となってしまったのだ。

 確かにあの一時期、希望の党は「政権交代の受け皿」との印象を有権者に与えていた。そして自身の失策によってその印象をすべて拭い去ってしまった。

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