しかし、これまで実行して来たこの恐怖のポリシーが逆に今回の不祥事を至らすことになったのである。
予約チケットを購入している利用者への賠償金として2000万ユーロ(26億円)の支払いが見込まれている上に、スペイン産業省は度を越えたフライトキャンセルの多さに対し、450万ユーロ(5億8500万円)の罰金を科す予定だ。そして、フライトキャンセル分の売上2500万ユーロ(32億5000万円)も計上できなくなり損出に繋がることになるだろう。
<文/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。