できる限りモノを持たないほうが幸せ!?「ミニマリスト」という生き方

“楽しさの自給率”を上げよう

筆者のキッチン 価値観の変化を認められない上の世代から“異邦人”扱いされる「ゆとり世代」「さとり世代」「ミレニアルズ」「ダウンシフターズ」「ミニマリスト」「シンプル族」と呼ばれる人々は、「より少なく」「量より質」「よりシンプルに」「よりエコロジカルに」「より持続可能に」「社会に役立つように」といった志向を持つ。やっと人間本来の姿に立ち戻れてきたのだ。それは喜ばしいことではないだろうか。  消費は「長らく低迷している」のではない。戦後の大量消費/大量生産こそが異常だったのであって、消費に疲れ、消費に飽きる人のほうがマトモだと言えるだろう。  コミュニティデザインをナリワイとする山崎亮氏は「“楽しさの自給率”を上げよう」と言う。 「どこかに行ってお金を使って誰かに楽しませてもらうだけでなく、自分たちで楽しみを作り出す力を高めてゆくことが大事」と。  今後ますます、お金を遣わないと暮らせない・楽しめない人は、空虚でつまらない人生を送る時代に突入する。このまま「The 消費者」として踊らされ、搾取され続けていていいのだろうか。  明日からでも遅くはない。消費から少しずつ卒業し、楽しさの自給を少しずつ始めてみよう。 <文・写真/髙坂勝> 1970年生まれ。30歳で大手企業を退社、1人で営む小さなオーガニックバーを12年前に開店。著書に『次の時代を、先に生きる~まだ成長しなければ、ダメだと思っている君へ』(ワニブックス)など。
30歳で脱サラ。国内国外をさすらったのち、池袋の片隅で1人営むOrganic Bar「たまにはTSUKIでも眺めましょ」(通称:たまTSUKI) を週4営業、世間からは「退職者量産Bar」と呼ばれる。休みの日には千葉県匝瑳市で NPO「SOSA PROJECT」を創設して米作りや移住斡旋など地域おこしに取り組む。Barはオリンピックを前に15年目に「卒」業。現在は匝瑳市から「ナリワイ」「半農半X」「脱会社・脱消費・脱東京」「脱・経済成長」をテーマに活動する。(株)Re代表、関東学院経済学部非常勤講師、著書に『次の時代を先に生きる』『減速して自由に生きる』(ともにちくま文庫)など。
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