復旧すすむ常磐線、2019年度末には「全線開業」へ
651系復活で注目されるJR常磐線であるが、東日本大震災後には広範囲で運行不能となっていたことも記憶に新しい。しかし、現在は復旧工事も進んでおり、2011年12月に相馬-原ノ町間が、2016年7月に原ノ町-小高間が、2016年12月には相馬-浜吉田間が復旧するなど、徐々運行区間を拡大。そのうち、福島県から宮城県にまたがる約14.6kmは、津波対策として線路を最大1キロほど内陸に移設しての復旧となった。
JR常磐線のうち相馬-浜吉田間は昨年12月に線路移設で運転を再開したばかり。(山下駅、宮城県)
この線路移設区間では、以前よりも市街地に近い位置に駅が移転した地域もあり利便性が大きく向上。同区間では仙台への直通列車も走るとあって、駅近くでは復興住宅の整備とともにニュータウンの建設、商業施設、公園の整備なども行われており、町の復興・発展にも大きな期待が寄せられている。
JR常磐線山下駅近くの高架区間を走る常磐線。 山下駅は旧駅よりも中心市街地に近く、新たな街づくりが行われる。 鉄道復旧に合わせて駅前には「山元ショッピングセンター」が開業
残る常磐線の不通区間は2017年6月現在竜田-浪江間(いずれも福島県)のみとなっているが、このうち竜田-富岡間は2017年10月21日に、残る富岡-浪江間も2020年3月までにそれぞれ運転再開予定で、常磐線は東日本大震災から約10年をかけて全線復旧する見込みとなっている。
この夏は懐かしの651系に乗り、震災からの復興を肌で感じ取ってみてはどうだろうか。
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JR常磐線(いわき-原ノ町間)の復旧予定図。(背景は国土地理院地理院地図を使用)
※
651系を用いた常磐線普通列車の運行ダイヤ(7月22日より)
下り
いわき発9:22→竜田着9:57
いわき発14:42→竜田着15:16
上り
竜田発10:03→いわき着10:37
竜田発15:24→いわき着15:58
※10月に予定される常磐線の運行再開区間延長後は変更されると思われる。
<取材・文・撮影/佐藤(都市商業研究所)>
【都市商業研究所】
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「
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