バチカンの教皇庁立科学アカデミーの理事を務める法王と同じアルゼンチン出身のマルセロ・サンチェス・ソロンド大司教はトランプのパリ協定離脱を受けて、イタリア紙『
La Repubblica』の取材に答えて<「災厄だけでなく、完全に科学を否定するものだ」>と述べ、<「我々は石炭と石油に依存することが必要だと発言することは、あたかも地球は球体ではないと言っているようなもので、お金を稼ぐ為に不条理に必要な理由づけをしているだけだ」>と断言している。
そして、この決定の背後には<石油ロビイストがいて、その関連産業界がトランプを操った>と考えていることを同大司教は付け加えてもいる。
また、バチカンの国務長官ピエトロ・パロリン枢機卿もトランプ大統領と個別に会談を持ち、パリ協定を離脱しないよう>促したそうであるが、その願いは叶えられなかったことになる。
6月4日付『
Diario Latinoamericano』電子紙はトランプ大統領がパリ協定から脱退することを決定した背後には共和党の<上院議員22人が大統領にこの協定から離脱するように促した書簡>があったことを報じ、驚くべきことは<最近5年間に化石燃料を使う企業から10,694,284ドル(11億7600万円)が献金としてこの22人の議員に渡されていた>ことを『The Guardian』が暴いたことを報じたのである。化石燃料を使う産業界の企業から献金として共和党と民主党に渡された金額の差は<15対1の割合いで、共和党への献金が圧倒的に多い>ことを明らかにしている。
22人の共和党上院議員の中には先の大統領選挙に出馬した父親がメキシコ移民だったテッド・クルーズもリストアップされている。彼は<石油と天然ガス関連企業から2,465,910ドル(2億7100万円)、石炭関連企業から103,900ドル(1143万円)>が献金として受け取ったことが明らかにされている。