NTTドコモの関西支社は大阪会場で3.5GHz帯を利用できる環境を整備し、スマホの新機種と旧機種で通信速度を比較できるコーナーを用意した。
受信最大788Mbpsを説明するコーナーで新旧の比較を実施
ほかの展示機を含めて多くのスマホがネットワークに接続しており、最高の環境というわけではないが、同一メーカーの新機種と旧機種を並べて実測値の比較が行われた。実測値は理論値ほど出るわけではなく、また環境により大きく左右されるが、会場では新機種が旧機種より2~3倍ほど速い記録を出していた。環境が良好でなくとも理論値が速ければ実測値もある程度の速度が期待できるため、混雑時なども安定した通信が期待できる。また、3.5GHz帯に対応したスマホが3.5GHz帯を使うことで、既存の周波数は混雑緩和も見込めるという。
NTTドコモは2020年に商用化する計画の第5世代移動通信システム(5G)に向けて、さらなる通信の高度化を計画している。4搬送波を束ねたCAや3.5GHz帯以外の搬送波で4×4 MIMOの適用なども検討されており、通信速度が1Gbpsに到達する日も決して遠くはない。
一方、通信速度の高速化は受信のみで、送信に関しては従来と変わらず最大50Mbpsで、送信の高速化は検討中と回答するにとどまった。SNSへのファイルのアップロードや動画配信などで、送信のデータ通信量は増加傾向とされており、送信の高度化も期待したい。
<取材・文・撮影/田村和輝>