世界的な法律家がモンサントの問題を指摘。ハーグの模擬法廷、判決が下る

白石和幸

世界各地で行われる反モンサントのデモ photo by William Murphy via flickr(CC BY-SA 2.0)

 昨年ドイツの製薬化学企業バイエルが米国のモンサント社を買収したが、モンサントと言えば、これまで人体に有毒とされる製品を世界規模で販売して来た会社である。遺伝子組み換え作物(GMO)を始め、DDT、サッカリン、アスパルテーム、ダイオキシン、牛成長ホルモン(rBGH)、除草剤ラウンドアップ(RoundUp)などが同社の有害製品である。

 このモンサントが昨年10月、遂にオランダ・ハーグで国際刑事裁判の過程に基づいて5人の判事による「模擬裁判」にかけられた。
「模擬法廷」とは、判決に法的拘束力がある本物の裁判ではないが、その審議過程は上記のように国際刑事裁判の過程に基づくもので、著名な本物の裁判官や弁護士が本当の裁判と同じプロセスで行われるものだ。

 世界からモンサントの製品によって被害を受けた28人が証人として出廷したが、被告側のモンサントからの出廷はなかった。この「模擬裁判」の役目は、現存の法律に問題のあることを指摘したり、国内法や国際法に照らしての改善などを促すことに留めており、法的な拘束力こそないものの社会的に影響力を持つのは確かである。

モンサントの弊害を判事が判定

 4月18日に下された判決では<「耕作した土地から収穫された作物を栄養として取得する人間及び集団社会の判断決定にモンサントは干渉しているということを考慮すると、モンサントの活動は土地、水、環境一般において弊害をもたらしている。その影響で、充分な栄養を得る為の生産能力も後退させている」>と5人の判事が判定した。

 更に、<「多量のグリフォサート(RoundUp)除草剤が使用されて遺伝子組み換え作物が普及拡大することによって、農業活動及び栄養の源をもたらす森林が荒廃する現象を引き起こしている。モンサントのこの活動は食物を生産するという権利を妨害している」>と指摘し、<「一般作物の生物学的多様性を削いで、食料を作る権利を妨害し、食品の安全を侵害し、食品の生産システムを弱体化させている」>と言及した。(参照:「GM WATCH」)

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米国環境保護庁が発がん性を隠蔽!?

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