当初から複数の専門家がイスラム過激派犯行説に懐疑的
なお、容疑者にとってもう一つの誤算がありました。それは犯行声明です。
容疑者は犯行声明を記した手紙を残し、あたかも今回の爆破事件が、イスラム国(IS)関連のテロのように仕向けました。
しかしながら、ドイツの複数の専門家はこの犯行声明は少し怪しいと捜査の早い段階で分析したわけです。ISのやり方とはまったく異なり、実際のところはISとは関係ないのではないだろうかと考えました。
まさに容疑者にとっては、誤算続きの爆破事件となったわけです。
<文/岡本泰輔>
【岡本泰輔】
マルチリンガル国際評論家、
Lingo Style S.R.L.代表取締役、個人投資家。米国南カリフォルニア大学(USC)経済/数学学部卒業。ドイツ語を短期間で習得後、ドイツ大手ソフトウェア会社であるDATEVに入社。副CEOのアシスタント業務などを通じ、毎日、トップ営業としての努力など、経営者としての働き方を学ぶ。その後、アーンスト&ヤングにてファイナンシャルデューデリジェンス、M&A、企業価値評価等の業務に従事。日系企業のドイツ企業買収に主に関わる。短期間でルーマニア語を習得し、独立。語学コーチング、ルーマニアビジネスコンサルティング、海外向けブランディング、財務、デジタルマーケティング、ITアドバイスなど多方面で活動中。