環境・資源・社会の危機を救う、新たな“脱成長”の経済学「自然資本経営」とは!?

日本は「富」の棚おろしを

――そんな時代に、日本はどうしていくべきとお考えですか。  日本は2015年にいよいよ人口減少に転じ、さらに少子高齢化が拍車をかけています。好むと好まざるとにかかわらず、これまでの成長至上主義、経済発展主義路線にしがみついて、経済大国だと大見栄を切り続けたところで持続不可能なことは、多くの人が感じ始めているはずです。  いまこそわが国の「富」の棚おろしをして、国家戦略として最適な自然資本主義経済モデルに向かって経済、社会システムを再構築するときではないでしょうか。その「富」とは、生物多様性・生態系、水資源、土地、風土・景観、海洋資源などの自然資本。教育・技能・暗黙知・健康など高品質の人的資本。そして高度経済成長期からこれまでに蓄積された膨大な人工資本。すなわち包括的な「富」です。それに、縄文時代から1万年続く文化・伝統・人間性も大切な資本です。  もう、外国の自然資本に依存して、自国の地理的な扶養力をはるかに超える経済を持続・成長させるというのは無理なことなのです。このことに早く気づかなければ、経済的な破滅どころか、人類社会の破滅がくることは避けられないでしょう。 <取材・文/HBO取材班> 【谷口正次】資源・環境ジャーナリスト。NPO法人 ものづくり生命文明機構副理事長、サステナビリティ日本フォーラム理事。小野田セメント(現太平洋セメント)専務取締役時代に循環型社会を目指して環境事業部を立ち上げ、産業廃棄物・一般廃棄物をセメント原・燃料とするなどの事業を推進。その後は屋久島電工社長として水素社会への転換を推進、国連大学でゼロエミッション・フォーラム産業界代表理事を務めるなど、一貫して地球環境問題に取り組んできた。2014~2016年には京都大学大学院経済学研究科特任教授として「自然資本経営論」を共同研究。4月30日に『経済学が世界を殺す~「成長の限界」を忘れた倫理なき資本主義』(扶桑社新書)を上梓の予定。
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経済学が世界を殺す

このまま信じていたら人類は滅亡する!

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