スコットランド独立論争が再燃。なぜこのタイミングで?

 3月31日、スコットランド自治政府のスタージョン首相が、スコットランド独立を問う住民投票の実施を要求する書簡を英政府に送りました。  これに対しメイ首相は、今はその時期ではない、として、これを認めない姿勢を示しています。  英国で、やっかいな話題が再燃しています。

スコットランド独立住民投票のタイミング

 メイ首相は今はその時期ではない、と柔らかくいっていますが、本音は、お願いだから今このタイミングでその話は勘弁してくれないか、といったところでしょう。  29日、英国はEUに離脱交渉開始を正式に通知しています。  交渉期間は2年。ただ、議会での承認プロセスなどを考えると、実質2年も猶予はないと考えるのが普通でしょう。  この間に英国がしなければならないのは、EUといかに交渉し、貿易面などで好条件を引き出すのかだけではありません。他国と新たな経済、外交関係を構築したり、移動の自由の問題とどう向き合うかを検証したり、対処しなければならない問題は山積みとなっています。EUとの交渉が厳しいものになると考えると、なおさらのことです。  この期間の英政府、英議会は、とにかく忙しいわけです。そんな忙しい時に、スコットランドという身内で独立気運が高まっているのです。  身内と書きましたが、スコットランドは300年超もの間、一緒にいる身内。独立となれば、300年超の枠組みが崩れるわけです。どうぞ、好きな時に独立してください、というわけには当然いかないでしょう。
次のページ
ハード・ブレグジットに納得できないスコットランド
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会