元女性トラック運転手の筆者が主張。長距離ドライバーにふりかかる理不尽な現実

橋本愛喜

女だてらに、国道をガンガン飛ばしていた頃の筆者

 筆者は訳あって、10tトラックの免許を持っている。

 そして20代前半から数年、北は甲信越から、南は関西方面まで、自動車製造で扱う金型を運んでいた。平均で1日500キロ。繁忙期では、800キロを走行する、中・長距離ドライバーだった。

 そして意外にも、当時はモテ期の絶頂だった。田舎で信号待ちをしていると、よく声を掛けられた。「(ナンバープレートを見て)あんた、一人でこんなとこまで来たんかえ。こんなデカい車乗って」。

 当時はまだまだ女性のトラックドライバーが少なく、さらに平ボディ(荷台が箱になっていないトラック)での長距離ともなると、激レアキャラだった。ゆえに、モテた。50代以上の田舎、工場、トラックのおっちゃん限定だが。

 特に思い出深いのが、サービスエリアでのひと時である。日もまだ昇らぬ明け方5時ごろ。同じ時間、同じサービスエリアに行くと、いつもと同じ50~60代のおっちゃんら数名が、日替わりでよく筆者に声を掛けてくれた。

「あいきちゃん(筆者の名前)、芋食え、芋」
「天童よしみのカセット貸してやる」
「俺の息子の嫁にならんか」

 そのうち一人には、前歯が全部ない上に饒舌だったゆえ、何を言っているのか正直よく分からなかった。

 あれから10年。トラックドライバーの過酷な労働状況は、改善どころか、年々深刻さを増している。

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ドライバーの過酷すぎる労働条件

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